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11 August 2007

ロンドン日記その4: パイソンが関与しない映画とする映画とを見た

「トランスフォーマー」とは巨大ロボットが変形して戦う妙に穴とツッコミどころの多いアニメーションであった、という程度の理解で映画を見に行きました。何故その程度の理解で見たかというと、上ロンもしたことだし(まだロンドンの話です)、たまにはオタク動機を離れ、さわやかな夏の光あふれる首都でいわゆる文化に触れんと思い、イヴニング・スタンダードをめくりながらプロムスとか欧州映画祭とかの催物情報をたどっていたわけです。すると映画欄に見えるは「トランスフォーマー」の数文字。ちらりと「そういやこの数文字エリックが昔やってたあれだなあ…」と感じた次の瞬間、わたしはレスター・スクエア・エンパイアの窓口にいて「トランスフォーマー大人いちまいください」と口走っていました。

いや今回の映画にはエリックはまったく関与していないことは百も承知です。というか、白状するとエリックが関与していた昔の映画はおろかアニメーションの方もほとんど見ていないわけで、だからトランスフォーマーに何を見出し何故自分がここにいてそう口走っているのか、もはやどういう理屈で動いているのかわけがわからず、だから真夏のロンドンで口走りながらわたしはひどくうろたえました。そのウロタエが腰と口調を引けさせたのか、窓口のおねえさんには「はぁ?大人何枚?」と詰め寄られ、わたし「…いちまい」おねえ「あんだって?」「…い、いちまいです」。やはりヲタはウロタエてはいけないと思いました。というかウロタエるだけ無駄だということがわかりました。

そのような幾多の苦難を乗り越えて見たかの映画には、しかしただもう度肝抜かれました。なんてかっこよく、人間臭くて愛らしく、そしてわたし以上に行動のつじつまが合わないロボットさんたちであることか。しかもこのバカとしか思えない湯水のような金と人的資源の浪費ぶり。すばらしい。もう夢中。目ハート。だから今、トイざラスで玩具を買ったりしたら社会人女として負けなので我慢しているとか、不用意に人に「メガトロン様が素敵で」とか話をしないように心がけていたりとかいろいろあるのですが、
えー、
それはさておき。
何を言わんとしているかと申しますと、
ずっと前にどなたかがどこかで「グレアムは死んだがエリックは生きていてくれてうれしい、さもなくばエリックの遺作が『トランスフォーマー』になってしまっていたところだった」という意味のことをお書きになっていたと記憶しています。ちょっと細部が定かでないですが。で、TFイコール妙に穴とツッコミどころの多い外国アニメ、程度の理解であった当時は実はそれにうんうんとうなずいていたりしました。しかし、映画からさかのぼってTFアニメの変な穴とツッコミだらけ世界観にどんどん移入している今のわたくしは、仮にトランスフォーマーがエリックの遺作になっていたとしても「それは素敵だなあ」と納得してしまうでしょう。ヲタとはかくも単純なものであるようです。

ところでエリックはスパマロット一本で「フォーブス」の米ショウビズ界パワーリストに載ってしまうという、転んでもただでは起きないパイソニズムを体現するような復活ぶりを見せてくれたことはご存知のとおりです。で、これもその影響なんだろうなと、今度はエリックも、そしてジョンもちゃんと全面的に関与している「シュレック3」をレスター・スクエア・オデオンで見ながら思いました。まだロンドンの話です。

ジョンのカエルのハロルド王様とエリックの鬱病の魔法使いマーリンは同一画面上には登場せず、声共演とは相成らなかったことがちと残念です。それとジョン王の出番がカエル姿のみ、場面も短く、ジャスティン・ティンバーレイク若者のアーサーを出さんがために(とジョンびいきのわたしには思える)ああいう扱いにされてしまったのが実に残念です。もっともカエル姿の王様は短くとも目の覚めるような名演だった(場内じゅう笑い転げていました)し、あと魔法使い爺が、ハリポにおける白髭ダンブルドア先生を揶揄してかかるがごとき風貌で、しかも英人ユーモア特有の「場にそぐわない気まずさ」爆発、これ大好き。エリックも実に楽しそうで。

それにしても、エリックとジョンというわりと初期から英国以外に目を向けていたペアが、いまだにこういう英人である(および、コメディ界の誰も口出しできないほどに重鎮である)というIDを逆手に取る、あるいは濫用する方向でしぶとく米ショウビズ界に関与していることがなんか嬉しい。もっと枯木に花を咲かせ焼けぼっくいを燃やしてまわるじじい達でいてください。たのみましたぜ。

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