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30 March 2007

サーカスが街にやっと来た

3月26日にようやく、よーうやく、英国でフライング・サーカス完全版DVDが発売されました。→★★★
つまりこの国では今までフライング・サーカスの全集DVDが存在しなかった、という事実。
何か理由が(例えば日本でどうしてもライフ・オブ・ブライアンが発売されないというような)あったとは思うんですが、それ、英国としてどうかしてるよ。

今回発売元を見るとソニー・ピクチャーズになっています。とはいえそれが何を意味するのかわたしにはよくわかりません。ロンドンスパマロットが起爆剤になったのかそうでないのか。なんにせよめでたい。ただしこのたび発売されたのはシリーズ1と2のみです。以前英国内では唯一のフライング・サーカスへのアクセスDVDであったベスト版がVol.1で力つきたように止まっていることをかんがみると(確かこれエリックが編集したはず)、予断は禁物です。

ちなみに以前とある30代の英人に「このような国外でも売れている古典であるフライング・サーカスを、自分たちの国では発売していないってのはどうよ」とたずねたところ、答えていわく

「いいんだもーん、あれならおれたち、みんなそらで覚えてるから」

スバラシイ。

それから後期グディーズのロンドン・ウィークエンドTV版完全版も出ました。Aさん教えて下さってどうもありがとうございます。これでBBC版がもっと出ることを希望。

そういえばマイケル日記には、ISIRTA以降パイソンズとグディーズになってからも、かれらには公私ともに意外と交流があったことを示す記述があります。でもマイケルとティム・ブルック=テイラーがプライベートで一緒にサッカーを見たり飲んでたりするのはなんか不思議な感じです。


---- 追記・お詫びと訂正 ----------
フライング・サーカスの英ベスト版は、ちゃんと完結してアスペンと一緒に発売されておりました。→★★
上記でなんとなくエリックのせいみたいな書き方をしてしまったことをつつしんでお詫びし訂正します。それにしても肝心の全集が出なかったのにその周辺DVDが多すぎるパイソン。

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18 March 2007

YouTubeとヲタクなわたくし

ちょっと間があきました。レスをつけてくださっていた皆様申し訳ございません。管理人は2か月の帰省をおえてふたたびUKに戻っております。アサクサあたりでオオザケ飲んだのがまるで昨日のことのようです。

このたび長期間いる間に便利で明るい東京にカラダが慣れていたらしく、着いて街を見まわしたときにいつにもまして感じました。「ロンドンってぼろ」。ヒースローの建築はひと昔前の形で天井が低いし、街は古くて道幅が狭くて明かりもなんとなく暗いし、キングスクロスで電車に乗ろうとすればドアが手動だったりする。このインフラではたしてこの人たちはオリンピックができるのだろうかと案じつつがちゃりと開けて乗りこんで席に座ると、そこの窓が壊れててどうしても完全に閉まらない。もうスーツケース引いて移動するのも面倒だからいいよここで、と吹きこむ超寒い風をびゅーびゅーくらいつつ、ああこの不便を平気で放っとく感じが英国。としみじみ思いました。

帰ってきたらBBCではコミック・リリーフのフィナーレでした。過去のコミック・リリーフの名場面集があったらしいんですが遅かりしで見られず。ちくそう、名作のひとつ、スティーブン・フライとボブ・ゲルドフ&ミッジ・ユーアの「バカ馬」をやってたかもしれないのに。いやこれ未見なのですが、当然銀行家はフライさんで、ライブエイド仕掛人組の寄付のお願いを「わたしはとってもとってもとってもとってもお金持ち」とか言いつつニベもなく却下するのでしょう。ものすごく見たい。あと、確か99年のコミック・リリーフでやった「たて笛でおんなじ曲ばかり吹いて英国民の気を狂わせるデイヴィッド・ボウイ」というのもずっと探している映像です(ボウイがなさけない曲をぴーひょろ嬉しそうに吹いている画面の下に、「この曲をやめさせるためには今すぐBBCに電話して寄付しれ!」とテロップが出るんだそうです)。こういうのはさすがにBFIにもようないだろうし。

一方イーベイではコミック・リリーフ特別オークション大会開催中。で、マイケルがこういう物件でちょろりと協力しているのを発見。→★★★
これを書いている今のとこ、残り時間は1時間ちょいで価格は150ポンドです。このくらいなら普通のワインでもありという値段ではなかろうか。さあどなたもはったはった。

それからこのコミック・リリーフ中にさりげなく、しかし大っぴらに宣伝されていたのが、ミスター・ビーンの新作映画なんですが。いや「さりげなく大っぴら」って矛盾していますが本当にそんな感じでした。でもそんなことはどうでもいいのです。ねえねえビーンさん、それってひょっとしてアレではないですかっ。→★★★

元祖のあの方が腰を痛めてこの歩行が不可能になったとき、人間の文化からひとつの無形の財産が失われたことをわれわれは深く悲しんだことは記憶にわりと新しいです(か?) しかし、やはり、元祖を神とあがめていて、だからこそこの世界にやってきたローワン・アトキンソンです。最近はすっかりリチャード・カーティスの方に行っちゃったのかと思ってたんですが、彼のルーツはこれ以外にありえないことを再確認させてくれました。いやこの画像が内容にどの程度関係があるのかはわかりませんが、これだけで見に行きます。

ところでお話は戻りまして。
例えばフライとゲルドフ&ユーアの「バカ馬」を見たいのなら、今の世の中ならまずYouTubeその他を探すべきなのかもしれません。でもわたくしはそうすることに若干の抵抗があります。というよりただ単に、わたくしはあたまの古いヲタクなので、レア音源や映像とは、西新宿、国会図書館、ブリティッシュ・ライブラリ、BFI、リンカーン・センターやTV博物館その他に自分の足で歩いて行ったり、あるいは目録を必死でめくったり、持ってる人を人づてにさがし当て、よりレアな物件をさしだし土下座したりなど、非常にアナログな活動の結果発見するものであるという意識がなかなか抜けてくれないのです。「バカ馬」もYouTubeに行ったら今すぐにこの机の前で見られるかもしれない。ただ、仮にそうやって見てもわたしはあまり嬉しくないでしょう。なんというか、ヲタクはそれじゃ我慢できない。見りゃいいってもんじゃないんです。何故かというと、「バカ馬」は世間一般には一文の価値も意味もないからです。そういう妙なものでも、アナログな努力を払うことによって「わたしというヲタがある意味を見いだして発見したモノ」という、ひとつの価値がはじめてそこに貼りつくのです。だから、無意味なものをキーを数回叩いてYouTubeで見たとしても、価値が何も発生しないままそこで終わってしまう。少なくとも(今のところ)わたしにとっては、YouTubeで今キーをぱこぱこ叩いて見る例えば「バカ馬」と、BFIやBBCアーカイブを訪ねて目録を探して見るそれとは、同じものではぜんぜんないんです。なんというかえーと、例えば結果として「シャケを焼いて食う」という欲望を満たす行為があったします。でも結果は同じでも、そのシャケが①近所の西友で切り身をパックで買ったものである場合、と②アラスカの川で一本釣りで捕ってきて自分でさばいたものである場合、でだいぶ印象が違うようなものです。

もっともこれも人によって感じ方は違います。なにしろわたしは古い型のヲタクだ。下手するとそのうちグーテンベルクも印刷技術を発明しないほうがよかったのにとか言い出しかねないので注意が必要です。

パイソン好きの人々はよってたかってYouTubeにいろんなものをあげているのはご存知のとおりです(スピークス!の著者デイヴィッド・モーガン氏が、手持ちのレア映像をどんどんあげちゃってくれているのにはびっくりしました)。あと先日白夜書房の空飛ぶ編集人ことenoさんこと榎本さんとお会いした際、「パイソン関係の人々はあえてYouTubeを放置して、あのメディアを逆手にとり利用しているふしがある」というアイディアを得て目が覚めるような思いにとらわれました。だとしたらあの人たちは賢い。これはますます古いあたまをあらためねばならず。もっともいくらあらためたところで、地道に図書館の奥を掘り返すというようなヲタクアナログ行動がやっぱりそもそもものすごく楽しいのは事実であって、このへんどう折り合いをつけていくべきなのか。と結論の出ないまま。

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