« January 2007 | Main | March 2007 »

23 February 2007

マイケル日記日記: 遥かなる山の歌声

世に星の数ほどあるパイソ本のなかでも、これは禁断リンゴの一冊だと思います。
これは、(特にかれらという人間のありように興味がある類の)パイソノタにとってはヨダレもののああとかこうとかがみちみちに詰まっていて、2頁に7回あれはそうだったのかうわそんなことがとつぶやくこと必至です。
しかし同時にそれはときおりあまりに痛いほど立ち入る生の視点です。だから、えっ話としては知ってはいたけどあのときってほんとにそんなにキビシい状況だったのか、それでもかれらはコメディをやらねばならなかったのか、そこまでしてやるコメディっていったいなんなんだろうともしばしば感じます(わたしは第4シリーズでテリJが妙に痩せてしまっている理由が初めて理解できました)。だからその後パイソンを見て笑っていても「でもこれをこうしたときにはこんな大変だった」と、裏のクルシイ状況がマイケル口調でふと聞こえてくるのです。この本を読み知ってしまうことにより何かが変わります。何も知らず無邪気にあはははははははははははははははとか笑っていたころには二度と戻れないです。あれです、吾妻ひでお言うところの「ぬか漬けのきゅうりが生のきゅうりに戻れないのと同じです」方式。

とはいえやっぱり面白いのであって。たとえばこないだホリグレ撮影のあたりを読んでいました。山頂のティムの撮影のときジョンはかなり怖かった、ということは正伝その他の回顧もので読んで知ってはいましたが、マイケルがこういうことを。
「しかけた爆薬がうまくいかずに二回撮り直しが入った。その間ジョンはひとり残され待たされていたが、そのとき彼方の山のとがった頂で、ジョンが昔のレビューの台詞をくり返し暗唱しているのが聞こえてきた」
読んだ瞬間わたくし座席に倒れました。いや電車の中だったんです。素晴らしい。これだからこの本はやめられません。



ところでずっと宿題になっていたAさんからの本屋バトンを。

■本屋さんに行ってどんな本を見ますか?
英地元では新刊本とコメディ棚を見ます。UK本屋さんはコメディ本がカテゴリとして独立していてたいへん便利です。在日時は、えー、とりあえず正伝の指さし確認をします。置いてあるとたいがいテレビ・映画の棚ですが、都内の本屋さんで一度「大衆演芸」の落語本の隣に並んでいるのを見つけて楽しかったです。そうか落語なのか。

■雑誌は買いますか? どんな雑誌を買って、またどんな雑誌は立ち読みしますか?
買い:Empire、Sight and Sound、TimeOut, Granta, 文藝春秋
読み:Hello!, NME, あと音楽映画ゴシップ関係いろいろ

■最近読んだ本は?
「百年の孤独」を13年ぶりに読んで驚愕、13年前に読んだつもりでいたわたしが間違っておりました。

■どんな漫画が好きですか?
内田善美全般とクッキングパパ。ああっ主任さんっ

■買って失敗した……面白くないから買わなきゃよかった、という失敗はありますか?
一時期スーパーマン・リターンズにはまっていろいろ買いあさったんですが、この手の本は玉石混交だなあーと改めて思いました。

■本(漫画・雑誌を含む)にかけるお金は月に何円くらいですか?
ロンドンで酒飲んだ勢いで日本本屋さんに行ったりしたら本当にたいへんなことになるのでやめたほうがいいです。

■雑誌や週刊誌はたまってくるとどうしますか?
しばらく寝かせておいて忘れたころに読み直します。

■おすすめの本があれば教えてください。
正伝と研究入門とかをよろしくお願いもうしあげます。

■これはよくないよっていう本はありますか?
本日のエントリのような理由によりマイケル日記。ヌカ漬かります。

■本屋さんはどれくらいの頻度でいきますか?
不定期ですが通りかかると入ります。

■買ったけど読んでない本ありますか?
去年のブッカー賞のやつとゴードン・ラムジーの自伝。

■バトンを回す5人
置いておきますのでどなたか拾ってください。

| | Comments (2)

20 February 2007

2月17日浅草オフレポート

楽しかった思い出を牛のように反芻しつつ。

マイナス1次会:
管理人がアゲマンを食いたいとさわいだので、浅草にくわしいわきみさんが出張中にお昼過ぎから出てきてくださり、観光客が行かないツウのアゲマン屋さん(1コ100円。アンコさくさくんまー)をはじめ、たいへんシブイてぬぐい屋さんや祭り用具屋さんや、ミクジで凶をだしくさった浅草寺とか(わきみさん大吉)、ロック座のむこうですげーいやらしー踊り子さんカレンダー売ってたなぞの店とか、バケン関係とかニコミ屋とか、翌日東京マラソンをひかえた人ごみをかわしつつディープ浅草をご案内頂きました。ちなみに、雷門の前で「お嬢さんお嬢さん、わたし生粋の浅草っ子のケンジってんですが人力車いかがですかー」と声をかけまくっていたお兄さんを見ながら、「うーん、これってケム川のほとりでパント船客をゲットしようとしているケンブリッジのお兄ちゃんたちみたいだよなあ」と思いました。

ゼロ次会@デニーズ雷門前店:
けっこう歩いたという理由にもとづいた「ま、いーかー」というどちらからともない同意により、昼ひなかから生中を注文してごくごく飲んでいる2名のもとにおおしまさん、トコツカさん、青さん、木下さんの4名様が合流。初対面のかたがたもテーブルに目立つように置いていた正伝とマイケル日記で無事見分けて来てくださいました。それからというもの、トコツカさんの東京12Chの「空飛ぶモンティ・パイソン」放映時間および内容の詳細な研究結果、青さんがこともなげにご提供くださった非常ーに貴重な日本のパイソンファンジン物件、木下さんのパイソンに特化したすばらしいロンドン本最新バージョン、および管理人の「エリックとわたし」とかアレとかコレとか、デニーズのテーブルいっぱいにパイソン物件がぶちまけられ、話すことは大声で「いや第3シリーズのジョンの態度が…」とかたいへん愉快なことばかり、あっと言う間の3時間。

ゼロ次会結論:
●マイケルはいい人よりは凶悪なほうがすてきだ。
●「ブラックメイル」は日本では「浮気暴露ショウ」とかみもふたもないタイトルであった。
●グディーズはなにげでちょっとずつ人気がある。
●日本の新聞のグレアム死去の報道「グレアム・チャップマンさんはケンブリッジ大学卒業後、モンティ・パイソンという喜劇一座を設立した」はあんまりだ。
●「日記」にはこれまで判明していなかった地名がいっぱい出てきているので木下さんの今後の追跡が待たれます。ゴウゴウチュニジア!
●とりあえずエリックを見るためだけにディズニーランドは行ったほうがいい。
●しかしパイソンのなかで一番ないがしろにされがちなのはエリックかもしれない。(←異論若干)
●わたし「ねえねえトコツカさんすばらしい研究ですね、でもこのようなすばらしい研究をされて何かの役に立つのでしょうか」トコツカさん「(即答)いえ何の役にも立たないです(断言)」

1次会@駒形どぜう
氷雨降る中、店の前でSIRENさん、まいまいさん、そして目印のスパマロットTシャツ着用の管理人を見つけてくださったサイさん、Kickさんと合流。まいまいさんが「フル・サークル」でマイケルが駒形どぜうの入れ込み座敷にアグラかいて座っている画像をプリントアウトしてきてくださいました。それを見ながら木下さんが「ほら、あそこですあの窓際のキミドリ色の服の人が座っているあの席」とそっとささやいてくださるところにわれわれ全員覗きこんでは「ほー」「すばらしい」「あやかりたい」。
座が暖まってきたころグッタイミングでenoさんとみうらさんがいらっしゃり、25年間くらいの年齢差がある男女たちが(最若の女子は21歳!ひえー!)全員でわんこ状態のどぜう・ごぼう・ネギをわしわし頂きながら、「すいません!そろそろジョン専とマイケラーの決着をつけようではないですか!」「ジョン好きな人!」「はーい」「はい」「ではマイケルは?」「はい」「はい」「はーい」「ちっ」「enoさんファンですう」「えっ?」「どぜう煮詰まってるんで食べちゃってくださーい」「テリJは実はXXXのときXXXXXXXだったんですよー(←「えええそうだったんですかー!」どよどよ)」「すいませーん!ごぼうおかわり下さーい!」「要するにですね、実年齢が何歳かということよりパイソン年齢がいくつかということだと思います」「ならばえーと、自分15歳?」「あたし6歳。コドモかも」「いやうまいっすねどぜう」「こんなんだと全然思ってないかったすよ」「これならマイケルも食えたでしょうね」「はーいお待たせしましたあー、どぜうおかわりありますんで召し上がってくださいねー」「お嬢さんすいませんねビールもう3本」「あはははははついさっきまで語ってたんですがまた語っていいですか。(返事を待たずに)わたしとジョンとの関係わですねえー」「関係とか言ってるし」「パイソンから広がりクックとかグディーズとか日本で普及するといいっすね」「でもグーンズは難しいですね」「もlし指輪やるならやっぱジョンがガンダルフですか」「オーク100万人は全員テリGということで」など、など、など、話は尽きず。ものすごい面白いひとときでした。テーブルが横に長かったゆえ、管理人が覚えているこんな会話以外にもこっちのほうではこんな面白い話をしていたよということがあればどうぞ教えてください。

2次会@和民
いや、予定していた電気ブランを飲みに神谷バーに行ったら満員かつラストオーダー間近だったので中に入れず、しのつく夜の雨の中2次会難民となった2次会組はしばし浅草の路上に立ち尽くし途方に暮れました。しかしそこで、そういえばこういうときにこそ、困ったときのワタミ様。ということでそのすぐ近くの和民の6人がけの席に7人でぎうぎう乱入、ゼロ・1次会よりもいーかげん酒とテンションが行き渡った2次会らしいかーなり濃ゆい話でかーーーなり盛り上がりました。それはどのくらい濃ゆかったかというと、ちょっと話の内容をここに書くのがはばかられるくらい濃ゆかったのです。もっとも管理人は実はそういう方面の話は決して嫌いではないゆえ窒息寸前、思わず床に倒れてジョンの名を呼び続けそうになりました。ものすごい面白かったです。←まことにボキャブラリがプワでもうしわけありませんが本当に。ああそれにしてもパイソン道は奥が深い。いや比喩でなく本当に奥が深いのなんのジョンとマイケルってばもう。

そんなんばかりで数時間(マイナス1次会から入れると8時間耐久で)パイソン話をしていたゆえ、別れを惜しみつつ解散後、総武線車内で足踏みしながら本八幡に走って帰り、家のドアを開けブーツを投げ脱ぎだだだと前のめりでテレビに駆け寄りスイッチ入れる間ももどかしく(たまたま手に触れた)フライング・サーカス8話を見ながら、この人たちはやっぱりものすごくよい頭の一方どっかおかしい頭の人たちだなあ、とほとほと感心した次第です。

以下オフおしらせエントリにレスをおつけ下さった方々への返信です。

★木下さん
そういうわけで神谷バーには行けませんでした。在日中に再挑戦できるでしょうか。それから御書のますますのご発展をお祈り申し上げます。それからすみません、マイケルDVD群をお返ししようと思い大カバンに詰めていったのですが(というかだからカバンがでかかった)、盛り上がったあまりすっかり忘れてしまいました。お返し必ず致しますが、その前にと今「80日間」から見直しています。マイケルかわいいですね。それからこの度見直したとき、マイケルが超ポッシュで銀行が客を選ぶ王族・貴族御用達のクーツ銀行に口座を持っていることを発見、驚愕しました。(いろいろあってわたしはジョンはこの銀行に口座を持っていないことを知っています。マイケルすご。)

★kickさん
あちらを立てればこちらが立たずというか、なかなか参加者の皆様すべてに便利な場所はないものです(わたしは近くて楽でしたが)。
というわけでやはり、全員に公平な立地条件というわけで、次回はラスベガスオフということで!!!(えっ)

★トコツカさん
貴重な研究をご披露いただき眼福でございました。今後もますますの、いったいそのホームズ鳥打帽の下の灰色の御脳細胞のどのへんをどう使ったら思いつくのかよくわからない何の役にも立たないご活動にご期待申し上げております。プロムス最終夜はわたくしも見ておりました。なにげなくNHKをつけたら、アラン・ティッチマーシュの司会も含みBBC番組をふつうにやってるのでびっくりしました(余談ですがティッチマーシュ氏は出身はガーデニング番組であるものの最近は旅とかアートとかプロムスとか親しみやすい文化番組に進出していて、どうも第二のマイケル・ペイリン的地位を狙っているとしか思えない行動がみられます)。あれはクラシックのグラストンベリー・フェスティバルみたいなもんで、知ってる人と曲をどんどん出してみんなで大騒ぎしてなんぼみたいなお祭りです。でもあの旗をふってる英人たちの中でどのくらい、威風堂々とかルールブリタニアとかジェルサレムを聞いてモンティ・パイソンを連想する人がいるのかけっこう気になります。

★青さん
青さんはおかわいらしい激若お嬢さんでいらっしゃるにもかかわらずしぶいところを全部押さえていらっしゃり、お話すると勉強になることばかりです。ヨゴレなオトナたちにかこまれお疲れさまでした。今度はぜひともジョングレネギのお話を致しましょう。いやほんとに。

★enoさん
このオフにより明らかになった事実を報道する英国タブロイドゴシップ新聞のヘッドラインが見えるようです、「ヒトラー改めエルヴィス改めグレアムは生きていた!」パイソンがヤラセだということの前には、今話題の納豆とかそういうことを追いつめる根拠が根底からくつがえり大変なことになると思います。どうやらわれわれは浅草でたいへんなことをやらかしてしまったようです。また飲みましょう。それからすてきな奥様にどうぞよろしくお伝え下さいませ。

★みうらさん
おいでくださりありがとうございました。以前から小耳におはさみ申し上げておりました、「マレーシアにいるもんのすごいマイケラーの人」についにおめもじできてわたくしは幸せでした。管理人の見方に関してのお言葉、どきっとしました。実はわたくしは、自分はそーゆーふーに英国で見てどうとか言っていますが、しかしそれってもそも日本語でパイソンを見る上では必要ないのではないかという逆の疑問を日々自問しております。毎度のことながらみうらさんの投げかける疑問はむちゃくちゃするどいです。今後もどうぞ、御家事の合間にいらしてくださいませ。

★saiさん
家人さんはそのようなことを伝えられて、いったいパイソノタとはどのような人間の集まりであるとお思いでいらっしゃるのでしょうか。
管理人より言い訳です。
●マイケルに満ちている←たまーーーにかぼそくテリJヲタの人がいますよ
●オウム弔辞←わたしの葬式でぜひお願いします
●ホームズひとり←ホームズなみに頭がいいのに役に立たないらしい
●ブツ←今度はもっと面白くもっと中毒するものを
●LOTR←というかバルログとかシェロブとか怪獣関係全部
●ギリアム外してよし←大監督なのに

説得力弱すぎ。

改めてみなさまお疲れさまでした&ありがとうございました&楽しうございました。
家主管理人は3月19日まで本八幡近辺におりますので、あそんでやってもよいよというお方におかれましてはどうぞまたおさそい下さいませ。

| | Comments (2)

15 February 2007

マイケル、「日記」を語るその3 (そして隣を歩く男)

たいへん間があいてしまいましたが、マイケル日記イベントその1その2につづいてその3完結編です。


― (司会のお姉さん)この本(「日記」)の評には、「よいことや面白いことばかりを選んでいるのでは」というものがありましたが。
「うーん、日記とは都合のいいことばかりを書いておくものではないはずです。もし面白いことばかりのように見えるのならば、それは当時が何もかも面白くて当たり前という時代だったからであって、われわれ自身も立ち止まって考える間もなく、何かにつき動かされているだけでした。ただこの本には、たとえばパイソンのスケッチの何が誰によってどういうふうに書かれたか、ということが書かれていません。ぼくの日記はスペイン宗教裁判はこうやってできた!ということを書く場所ではなかったからです。それはただ、ぼくが日々誰に会い、誰がどう動いて、何かの後ろではこういうことがあったということの記録だからです。その点を期待していた読者から批判があるのは知っています」

― 誰がどう動いてという点で、当時ミーティングではいろいろあったようですね。
「確かにいろいろとありましたねえ(笑)。でもそれぞれの意見の相違による論争はあったけれども、相手を否定してかかることはなかったはずです」

― ご自身は論争に加わったのでしょうか?
「ぼくは… あまり、えー、ぼくの父親がわりと、自分対世界みたいな性格だったので、ぼく自身はそうならないように常につとめていた気がします。論争といったら、なによりもテリー・ジョーンズとジョンでしたね」

「正伝」以来なんとなく気になっているマイケルとおとうさんの話が出たものの、あまり深入りはせず、場はやがて客席との質疑応答へ。

(以下客) ― えー、まず最初に、何故今日記を出版されることになったのでしょうか?
「2年ほど前からそういう話はあって、キャス・デュ・プレ、つまりジョン・デュ・プレの奥さんがすべて掘り起こしてタイプしなおしてくれたんです。そうしてタイプされたものを改めて読み返してみたんですが、そしたらうちの家族、ことに奥さんがすごく面白がりました。自分でもけっこう面白いかなと思うようになり、そして次第にこれをこのまま埋没させてしまうかと考え、それよりはあの時代を全力で生きた人々の記録として表に出した方がいいのかという気になったんです。出版社にもいろいろ言われたということがありますね、ただかれらはよく『これは慈善事業だと思って出してください』と言っていました」

― 出版にあたり手を加えたんでしょうか。
「とりあえず、オリジナルからは相当切り落としました。今から見てこれはどうかなという親切心と、それからユーモアの心をもって切っています。出版社からは『これでも切り足りない』と叱咤激励されましたがね」

― それでは、切った個所というのは、誰かにとりまずいことが書いてあるからなんでしょうか。
「そのとおりです(断言。客席笑)」

― パイソンの中の自身の役でいちばん好きなものはどれですか?
「ライフ・オブ・ブライアンの、『クルシフィクション?』のあのセンチュリオンですねー(客席拍手)。あの人は、誠実で、真面目で、正義感にあふれていますすばらしい人です」

― それではいちばん好きなスケッチは?
「フィッシュ・スラッピング・ダンスです(断言。客大拍手)。あのくだらなさ無意味さなにもかもがすばらしい」

― ライブでよかったスケッチは何ですか?
「えーと、あの♪らららりら~ってやつはライブにあったっけ?(とジョンを見る。ジョンうなずく)じゃあランバージャックですね。オウムなんかは舞台だと難しいんです、言葉で展開するんだけど、大きい声ということだけになってしまうと何かが失われて面白くなくなるんです。『ヨークシャー男』もなかなかよかったけどあれはパイソンではないし。『葬儀屋』なんかもカナダの舞台でやったけど、あれははっきり言って失敗だった」

― 最近のコメディでは何が好きですか?
「あまり見ないんだけどジ・オフィスは良いし、それからやはりリッキー・ジャヴェイスがやっているジ・エクストラズも凄い、ジ・オフィスの後に何かをやるのは相当勇気がいったはずです。それからあとは、ファスト・ショウ、グリーン・ウィングなんかも面白い」

― 自身のキャリアを振り返ってみて、やはりパイソンの頃が才能のピークであったと思いますか?
「(うわーう!と客席ざわめく)うーんー、コメディという面で見ればそうと言えるかもしれない。あのような状態は確かにもうその後二度と起こらなかった、ただ非常に長期にわたりあのような状態が起こってはいたけれど」

― そういったコメディはもうやらないんですか?
「たとえばコメディ映画だと待ち時間がものすごく長いんです、その間キャラバンの中で雑誌を読んでなきゃいけないわけで、ぼくにはもうそういう忍耐力がありません(笑)。BBCの旅シリーズなら1ダースくらいの人間で全部動けるし、BBCももうやりたいようにやらせてくれるし。映画でもワンダはよかったですね、あれは少人数で動いていましたから」

― ところで、政治分野に出馬されるとかそういう考えはおありですか。
「えっ、政治?うーんぼくが?政治ねえ?ぼくはもう、ミーティングとか他の人と意見をあわせるとかそういうことはもうやりつくしたので別に興味はないです。今トランスポート2000という団体のチェアマンをやっていますが、せいぜいそのくらいです」

― パイソンは世界に進出していますが、アメリカと英国においてパイソンに対する反応の違いはありますか。
「あります、アメリカのファンは非常に熱心に騒いだりしていますが、英国はよりクールで、なんというか『パイソン?ああそう、いいんじゃないの』という感じですね。でも一番驚いたのは、パイソンの第一シリーズの直後に、ユーゴスラヴィアでパイソンのファンに出会ったことです。共産主義の国で、パイソンのようなオーソリティヴなものをジョークにしていたものを見ていた人がいたということはすばらしい。この人たちならフィッシュ・スラッピング・ダンスだって面白いと思ったはずです」

このあたりで質疑応答も終了となり、司会のお姉さんが閉会を宣言し、マイケルは一礼して舞台袖に去ります。そのとき、ジョンが最前列から段をのぼってふーと舞台にあがり、袖に去るマイケルの横にならびました。あジョンがマイケルの隣を歩いている。あ何か話している。ジョンとマイケルが並んで歩いて話をしている。ああなんだかすごい眼福。と思ううちにかれらは袖に消えていきました。もう一生見ることはないかもしれないジョンとマイケル2ショット。

さてそれからが。
このレポート第一回にあったとおりマイケルはロビーでサインを始めたのですが、並大抵のカインドリではなかったというのはここからなんです。
600席からなる大講堂の客がほぼ全員、「日記」および自分のサイン物件を抱えて列をなしたのです。みなチケットを買って入ってきているのだから熱心なマイケルファンばかりであり、たとえ何時間でも待つ覚悟のしぶとい人々ばかりです。
わたしもそのひとりなものだから、物件を抱えて列に並んだのですが。
なんだか暖房がききすぎているのかものすごく暑い。
暑いうえに順番が回ってくるまでに2時間かかりました。
2時間なんて非常識な時間、並んでいるだけでよれよれになります。しかも暑いのなんの。
並んでいる人々が暑くてよれていたので、主催者の中の人たちは、居並ぶマイケラーたちに水やチョコレートなどの延命物資をときどき配りにきてくれました。



マイケラーたちと主催者の人がさしだすチョコ缶



つまりわれわれ一般人はあちーとか言いながらそれでもチョコなどつまみつつ「まだかよう」などとほざいていたわけですが、でもマイケルはその間休む間なく、無限に差し出される本にサインをしつづけていたわけです。
2時間たってけっこうすごくつかれていたころ、「それでは次の人どうぞ」と事務所の中の人がわたしを呼ぶ声が聞こえました。
でも、ふと後ろをふりかえると、あとどう見ても1時間分くらいはたっぷり行列が続いています。
でもふたたび前を向くと、ややつかれをにじませながらもマイケルはそこにいて
「やあどうもこんばんは、君はじゃぱんの人?」
とあくまでもにこやかです。
わたしはこのとき初老のマイケルさんを、今までにないほど心から尊敬しました。いや本当に。これは並大抵カインドリところか、ふつうの神経の人にはできないと思います。




そうなんですじゃぱんじんなんです、と言って




わたしは「正伝」を出しました。すみませんつい



よい一夜であったとわたしはロンドンの夜空に思いました。そしてマイケルの横に突如ジョンが出現してくれたことにより、うまく言えないんですが、いろいろなことのつじつまがぴたりとあってすごく納得がいった気分になりました。いやうまく言えないんですけど。


ところでマイケルがそのように身を粉にして出した「日記」。今後も少しずつわたしと日記との話は続きます。とりあえず読み進むにつれ、わかっちゃいたけどジョンってかなり困ったアレな人だったのだなあと思ったりしています。(もっともそこまでアレであったのに、「君を嫌いだったことなんてないよ(にこにこ)」と普通にさらりと言っちゃえるマイケルってのもやっぱり相当ワルだなあとも思います。)

| | Comments (0)

01 February 2007

オフのおしらせ

ちょっとおわびと訂正をこめつつお知らせです。
管理人が帰っているスキをみてオフなどやっちゃおうと思いますがいかがでしょうか。
しかし日時に関し、当初2月16日金曜日あたりと申し上げておりましたが、いろいろありまして2月17日土曜日夕刻ということでお願いできれば幸いです。
場所は今管理人が「マイケルをしのんで駒形どぜうにしよう」とマイケルに大変失礼なことを言ったりしておりますが、そのほか希望があれば頂いていろいろ考えましょう(ただしできれば新宿を限界とした総武線沿線プリーズ)。
乞うTFJCers の皆様のご連絡。待て次号。

| | Comments (28)

« January 2007 | Main | March 2007 »