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29 November 2006

マイケル、「日記」を語るその1 (そして現れた男)

9月29日のエントリでちょっと触れた、11月28日のマイケルイベント@ロンドンに行ってまいりました。

上記エントリで「これは新しいBBC番組の話かも」と書いておりましたが、予想は嬉しい大ハズレでしたすみません。これは先だって出版された例の「日記」に関する、インテリ新聞ジ・オブザーバー紙(兼ザ・ガーディアン紙)とブラックウェル出版による、ロンドン大学教育学部の広いホールで行なわれた有料のトークショウでした。

早めに入って前の方に陣取り様子をじろじろ観察していると、あとからあとからあとから人がやって来ました。ふり返ってざっと数えたところホールは少なくとも600席はあり、それがしまいには身なりのよい、落ち着いた、そして笑顔の老若善男善女によりてっぺんまで埋められました。「ヒマラヤ」のときはインテリ右新聞ザ・タイムズ主催の講演がありましたし、今のマイケルはこの国ではつまり、こういう位置にいるのだと改めて思いました。


すてきなチケット(7ポンド)

そう思いながら膝の上に1kgの「日記」をとりだし、開いたところから読み返していると、たまたまパイソンツアーがデイヴィッド・ボウイのそれとかちあってどうだったという記述がある頁をめくったとき、600人のざわめきを縫って聞こえてきた会場BGMが「ジギー・スターダスト」でした。わあ面白い、と思っていると。

「どよ」「およ」「うろ」とそれまでとは違うざわめきが。

なんだろう、と顔を上げると、

最前列正面の席に、


あっ

あの見間違えようもないラブリーな後頭部はっ。



ジョンじゃん。


ジョンが来ている。


ジョンがマイケルのイベントの客になっているっ。

がーん!

なんてこったロンドンスパマロットの集合にすら欠席していたジョンが、マイケルのいちイベントに客として来ているぞ!!


ある人々はすばやく立ち上がり、本をかかえてだだだと前方に走っていって前にまわり、たいへん嬉しそうにジョンにサインをもらっています。
わたしはというと、あまりにも理解範疇外の事態の衝撃で塩の柱と化し、「わあ、ジョン、元気そうだあよかったああああははははははは」と固まったまま後ろ姿を拝見しつつ、かろうじて「あのうそこにおあつまりのみなさま、今ジョンにサインもらってるけど、それマイケルの日記本だよ、マイケルの本にジョンのサインもらってどうするのですかみなさまああちくそういいなあ」と考えるのがせいいっぱいでした。

もっとも「日記」もジョンの一文が引用されているので完全にハズレではないし、それになによりジョンが、差し出されるマイケルの本に「いやあーそれではひとつ」とかいう声があたかも聞こえてきそうなぜんぜんやぶさかではない勢いで名前をさらさらどんどん書いている。あ、いいのか、ジョン的にもこれで別に。と感心しながら眺めていると、しばらくののち、集まった人々がマイケル事務所の人の「じゃあこのへんでみなさんおひきとりくださいねえ(はぁと)」の声に散っていくのが見えました。

(ちなみに上掲写真のジョンの両脇をかためているのがマイケル事務所の人々です。たまたまこちらをふり返ってカメラ目線になっているのが、「ペイリン家の電気代や水道代まで面倒を見ている」人としてそのすじでは有名なポールさんです。なお、写真手ブレはわたくしの動揺のあらわれとしてなにとぞご容赦ください。)

ジョン突如出現衝撃でやられてしまったので、肝心のトーク内容は次回に送りますが。
それにしても、
以前パイソン身内のヨタ冗談で

「ロンドンのマイケルのサイン会にマイケル本を抱えて列に並び、終わったあとに列の前後の人々とデジカメの写真を見せあって『あ、これいいですね後で送ってください前のやつから自分のも送りますから』とメアドを交換したりとかさりげなくマイケルヲタクのような行動をとっているジョン・クリーズ」

と言って面白がっていたことがあるんですが。それ、冗談じゃないんじゃなかったんですか。シャレになんないんですかジョンは本当にマイケルのおっかけだったんですか。

思いは千々にみだれつつ、つづきます。

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25 November 2006

デザイン変更、パイソなクリスマスDVD、そして新ボンドとQ

◆ 今まで「新聞記事ならともかく、人は普通日記には題などつけないのだ」という変な意地のもと、当頁ではタイトルは本文上部にはつけずに右コラムだけに表示する設定にしていましたが、それを改めました。これからはふつうに、ごらんのように日々のエントリごとにタイトルが表示されます。今後のタイトルには日付は含まれませんが、既存のものにはタイトルにも日付が含まれたままになります。ちとくどいですが、なにとぞご勘弁ください。

いや「意地」なんて大げさなものでもなくて、ただ最初にそう設定してそのままずっと変えずにいたという方が近いです。しかし、いかんせん、過去のエントリを参照しようとしたとき、タイトル一覧を管理頁で見ていても表示頁のエントリにタイトルがついていないと、どえらく時間がかかるということに最近気がついたのです。もしお読み下さる方々にもすでにそういうご不便をおかけしていたとしたら申し訳ございません。今後は一目瞭然整理整頓明朗会計タイトルとエントリをめざします。あと、もうちょっと内容に沿ったタイトルをつけたほうがよいと思います>自分。書いた本人のくせに、ある特定の内容をさがそうとするときに、タイトルがなんの手がかりにもならないというのはブログ的にちと問題です>自分。すみません。

◆ クリスマスの五文字が視野に入ってきて、人々の挨拶にも「クリスマスはどう過ごすのか」「クリスマスショッピングは済んだか」という一行がはさまってくる季節になりました。これからクリスマスイブぎりぎりまで、クリスマスショッピングにおしよせる人々で平日でも街と駐車場が非常ーに混雑する日々が続きます。店々の品揃えもクリスマス向けにバージョンアップされ、デパートではリボンのかかった箱入りの石鹸香水化粧品、スーパーではパーティ用の箱入りクッキー、チョコ、大袋ポテトチップスなど乾きもの各種、冷凍マル七面鳥とそれを焼くオーブンの皿などがずらりと並びます。そういう季節もんを並べるためには普通のものがスペースをゆずり移動させられるわけで、かくて知らぬ間にどこかに移されてしまったタマゴひとパックをもとめて店のなかをえんえん右往左往していると、ああ、今年もクリスマスだなあ、と感じます。

個人的にクリスマスだなあと感じる要因がもうひとつあります。HMVやヴァージンさんなどはもちろん、近所のスーパーにまでパイソンDVDが妙に充実しはじめるのを目撃するときです。以前クリスマス前に上ロンしたときピカディリー・サーカスのタワレコに立ち寄ったら、地下のDVD階の通路に「パイソン展開棚」が特設されてポップが立ち、関連DVDとCDが詰めこまれて「さあ買え今買えいいからかえ」状態になっていて感動したものですが、クリスマスというなにもかも売らんかななこの季節、パイソン関連は「定番」として動くもののひとつになっているようです。
(しかし、「メリークリスマス!君がこれを喜ぶだろうと思ったんだよ!」とにこにこしながらプレゼントを渡され、わあなんだろうと包みを開けてみたら、出てきたのが「人生狂騒曲」DVDだった場合、人はいったいどう反応すればよいのでしょうか。)

で、
今年のパイソンクリスマスモデルはこんなん出ております。
映画7枚組箱セット
フライング・サーカス・パーソナル・ベスト・コレクション6枚組箱セット

新モデル映画7枚組バコは、まず今までの型と外装が大きく異なります。
今までのすっごく遠くからでもむちゃくちゃ目立つ補色旧モデル→

内容は今までのものとどう違うのかというと、今までバラと箱で出ていた映画とそのおまけ関係のほかに、どうやら上記の「パーソナル・ベスト」のサンプラーがさりげなくすべりこまされているようです。そしてその「パーソナル・ベスト」は上記アマゾンでも「このハコといっしょに買えばやすいよ」扱いになっている。

んでもってこの「パーソナル・ベスト」とは何かというと、タイトルからほぼ予想がつくとおり、各自の選択によるひとりあたり60分間のフライング・サーカス編集もののようです。ポケットフルパイソン映像版でしょうか(グレアム版は、他メンバーによる思い出チョイスだそうです)。いやこれこそ、スパマロットのあおりコピーじゃないけれど、「ラヴィングリー・リッピング・オフ」だなあ。すばらしい。
と思って笑ってすごそうとしたんですが。

しかし、
わたしが個人的に信頼している映画雑誌「エンパイア」さんは、
最新号07年1月号でこの「パーソナル・ベスト」に最高評価の5星をつけています。
なにやら”unseen material” があってそれがイイよ、と言っています。でもその詳細には触れていません。
うわあなんなんだその未見マテリアルとはあ、詳細に触れろー、いっそ殺せー、とわたしは生殺しにされたパイソン蛇の気分で今くるしんでいます。どなたか購入された方、どうか教えてくださいどんなすさまじいひみつがそこにかくされているのか。いやそんな大げさなもんじゃないにしろ。

それからマイケル旅ものセットバコも外装を一新してクリスマス商戦に参戦しています。→

これ、実は、買いました。ずっしりぎっしり16枚組!年末はマイケルまみれでしあわせに生きようと思います。

◆ さて、
英国のクリスマスといえば、
ザネームズボンド、ジェームズ・ボンド。です。
先週から始まった007新作「カジノ・ロワイヤル」を見るべく、おとといの夜の仕事がえりに地元の映画館に行きました。そうしたらなんだかもううじゃうじゃに人がいました。まるでハリポのときの再現だ、と思ったもののしかし、ハリポ時より年齢層がふたまわり半くらい上でしかも殿方率99%でした。みんな今パブに行ってエンジンあっためてきましたみたいな顔でご機嫌、というかうきうきわくわくしていました。

嫌あな予感を抱きつつたのしそうな殿方のみなさんをかきわけて券売場に行くと

「カジノ・ロワイヤルは、夜10時半の回まで全部ソールドアウトだよ」

という表示が。

がーん。

週末を避ければ大丈夫だろと油断していました。英人男子たちのボンド愛に対するヨミがまだまだ甘かった。英人男子の皆様、理解が足りないポンニチ女で申し訳ございません、皆様のボンド文化の奥深さに思いをはせつつインドの山奥で修行して出直してなんかくるわけがなく、ちゃんと予約の上で、ゆんべ再挑戦してきました。やはり混んでてソールドアウトでしたが、わたしは券あるもんねふふふと余裕こいて入場しました。


で、見ました。


そして、


ががががーん。


と思わず口に出して「がーん」と言ってしまうくらいの衝撃を受けました。

なにしろボンドが超カッコイイんですよ。
いや英国のスパイという前世紀的設定をカッコイイとか、しかも「超」つきで言っている自分が信じられないんですがこれが本当にカッコイイのです。
あまりにもイイので、140分とちと長めであるにもかかわらず、最初から最後まで1秒も目を離せず見っぱなしでした。

何がイイかというと、ボンドが一味違ってものすごくリアルなのです。いや、架空のヒーローにちょっと深い解釈を与えてリアリティを出してみよう、というやりかたはちかごろの映画界で流行っているようですが、今までさんざ非リアリティの世界を跋扈してきたジェームズ・ボンドに今さらリアリティを求めてどーすんだよう、と当初は思っていたことは事実です。しかし見てみると、この試みがたいへんうまくいっている。今度のボンドさんは、冷静で冷酷でかなりひどいことを平気でやってそして適度に強い(←これ大事。MI3のトム・クルーズのように「それふつう死ぬよありえねーよ」という強さだと映画から注意がそれてしまう)。そして、確かにダニエル・クレイグは悪役顔だけれど、この顔だからこそこーゆー「ひっでえー!」な行動をして納得がいくのだと思いました。

こう言ってはアレですが、このボンドは、たとえ若いころでもピアース先生にはできないです。当初わあわあ騒いでいたボンドヲタたちは、今ごろいっせいに「ダニエル・クレイグでよかったのだ。いやオレは最初からそう思っていたけどね」とかヲタ的に納得していることでしょう。

それでですね。
シリアスかつタフかつハードボイルドかつリアルなボンドさんはたいへんようございましたが、
今回のリアルボンド話からはお役御免となってしまっているQさんは、このキビシイボンド世界に戻ってこられるのだろうか、戻ってこられるとしたらどういうふうにこのタフな世界にはまるのだろうか、と、わたしはたいへん気がかりです。
エンパイア誌によると次作007は2008年5月2日公開予定だそうです。
すでに日づけまで決まっているところがすごいですが。
以前「シルバラード、フランケンシュタイン、ダイ・アナザー・デイとほぼ10年に1回シリアスなジョン・クリーズが現れる説」をおこしたことがありますが、けっこうそれが「アタリ」になったりするかもしれません。

ところで。
今回の映画のツボのひとつに、「Mの自宅および旦那さん(!)」がちらりと出てくるというとこがありました。
うわあーMの旦那あ、と一瞬思いましたが、いや女王様をいただくこの国だし、あのやりてババ、もとい、超キャリアウーマンのMが結婚していたってぜんぜんおかしくないわけです。うん。
しかしMが結婚してるんなら。あれですね。結婚してていいわけですよね、Qも。うーん。Qの奥さん。これはかなり興味深いものがあり。

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17 November 2006

17NOV : さらばハーバート王子、そして女王陛下の007

昨年春からずっと個人的によいしょしつづけていた、ブロードウェイスパマロットのオリジナルキャストのひとりであるクリスチャン・「無駄美」・ボールさんが、今週いっぱいで契約を終了しついに舞台を去るようです。かれが次に出る新作舞台 Legally Blonde(「キューティ・ブロンド」)に関するニュースの中にその旨触れられています

*注:「無駄美」 - ボールさんはハーバート王子/まだ死んでない死体/著名な歴史家を演じるにはほとんど無駄なまでに美形であるということ。

スパマロット舞台においていかにボールさんが素晴らしいか、ということについてはこのへんですでに力説ずみですのでくり返しませんが、あの美形でありながらふり切れて壊れてはじけるハーバートが、本家ブロードウェイスパマロットから去るというのはかえすがえすも残念です。リーガリー・ブロンドもいいけれど、どうかいつかティム・カリーのようにロンドンに出張してきてほしいものです。

ちなみに、先日のロンドンスパマロットに関するエントリのときにはエリックちょんちょんショックでつい言及しそこねてしまいましたが、ロンドンには現在、ブロードウェイオリジナルキャストから、ティム・カリーの他にクリストファー・シーバーさんが長金髪を風になびかせるナルシストガラハッドとして遠征してきています。

思わず「ティモテ!」と口ずさんでしまう


シーバーさんのナルナルなデニス/ガラハッドもまたびしりとはまり役で、湖の淑女とのデュエット持ち歌 The Song That Goes Like This は何度聞いても本当に面白い。ロンドンにカリーさんが来るというのはあらかじめ知っていましたが、シーバーさんのことは実は知らず、だから芝居を見ている最中、どうもデニス/ガラハッド役はブロードウェイのシーバーさんに妙に似ているなあわざと選んだのかなあ、などと思っていました。そしたら本人だったわけです。すみませんシーバーさん(読んでないとは思いますが一応)。おわびがわりに、ボール&シーバー2ショットを再掲します。



夢の無駄美ペア


そういえば今思い出したこと。ロンドンの幕間で、隣に座っていた初老の夫婦が「あのガラハッドは地毛かしら」「いやあれはカツラだよ」と真剣な口調で話していました。わたしはノドのこのへんまで「いやあれはティモテなカツラなんで」出かかりほとんどそう口をはさみそうになりましたが、英人的討論の楽しみを奪ってはいけないと自制し、「いーやあのツヤは本物ですよ」「何を馬鹿な、大人の男が普通あんな長髪でいられるもんか」と次第に白熱してくる夫妻の会話を黙って片耳で聞いていました。

さて、
年末ですね。
クリスマスですね。
というわけで007映画ですね。
(わたしはひそかに、007映画とは「英人にとっての寅さん的、季節の縁起もん映画である。最近では釣りバカ日誌でも可」という説をあたためています。ただ、007と寅さんとのいちばん大きな違いは、007映画にはお子づれのお父さんたちがいっぱい来ていてそして連れたお子に向かって「いいかあジェームズ・ボンドとは、アストン・マーチンとはなあ」と力強く解説して聞かせているところです。こうして受けつがれていくのでしょうボンド文化。)

新作「カジノ・ロワイヤル」は女王様とその旦那様を招いてのロイヤルプレミアを経て本日公開です。おひざもとでの英国ではちょっとした騒ぎになっています。しかし、あれほどぎりぎりまでボンドもボンドガールも決まらなかったので、こら絶対来年に持ち越されるなと予想していたら、なんとびっくりクリスマスに間に合っちゃいました。なんだやればできるんじゃないですか英人。ウェンブリーアリーナ再建工事なんかもこうできないもんでしょうか。
(ウェンブリーの工事は、当初の予定より、完成が約2年間遅れています。というか、2年遅れれば完成するのかも実は定かではありません。ヨーロッパではわりとよくあることとはいえ、どうしてあれほどメジャーな工事にこういうそら恐ろしい単位で遅れが出るのか、日本人的感覚ではちょっと理解しにくいというのが正直なところです。)

もっとも当頁で何度か宣言したとおり、ジョンQが出ないと決定した時点でわたしとジェームズの関係はすでに終了しております。だからもう関係ないのです。しかしあらゆるメディアでこれでもかというほどCMが打ちまくられているのでいやでも目に入ってくるのです。なにしろ縁起もんだから。

そういったCMを目にするたびに、ブロンド・ボンドことダニエル・クレイグはやはりボンドというよりは悪役顔だなあと感じるのですが、しかし映画そのものは、評論家間ではどえらく評判がよいようです。どうやら突貫工事で撮ったにしてはたいへん渋くてよいらしい。よってクレイグブロンドボンドの将来はとりあえず安泰でしょう。なので来週見に行きます。いや関係は終了しているんですが、もしクレイグボンドが続投するなら、そのときのQとのケミカリーな相性が気になりますし。とわたしの目はすでに次のボンド映画に向いているのです。それにやはり関係は終了したとはいえ、やはり前作にはまり倒して13回見た以上、今でも昔の男が気になる程度には気になるわけでしてボンドさん。

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14 November 2006

14NOV : ロンドンスパマロットとテリJ先生のライフ・アンド・ハウ・トゥ・サヴァイヴ・イット

ちょっと間があいてしまいましたが皆様におかれましてはいかがおすごしでしょうか。
間があいた理由はと言いますと。まず、ロンドンスパマロットの一般開演日10月17日にパイソンズのみなさん(マイナス映画の撮影で来られなかったジョン(といつものように来られなかったグレアム))が集合したというまったくもってコトホぐべきおめでたいニュースがありました。しかしそういうめでたいことがあったというのに、その集合の瞬間を見逃したというごく私的な理由でもって、いつか書いたように覚悟はしていたものの、わたしはかなりのダメージを受けてしまったのです。ああめでたいなんてめでたいんだ。もうこれから何度あるのかパイソン集合、全力でコトホぐべしめでたいめでたい。しかし、ううう、めでたいめでたいんだが現場主義キリギリス者としてはそこにいたかったなあがっくりがっくり。と、嬉し苦しく複雑にヤラレておりました。

嬉しくるしんでいるうちに知恵熱のような熱がぼっと出ました。いい大人なのにパイソン知恵熱か面白いなあ、とノンキにかまえていたら、それはさまざまな諸症状をともないはじめてあれよあれよといううちに悪化。その素早い展開をひとごとのように傍観しているうちに、だんだん事態はシャレにならなくなってきて、どうやらこれは、セキ悪寒、くしゃみ鼻水関節痛、高熱朦朧これぞ究極インフルエンザ、ともうその邪悪な進行ぶりを立派なお手本として飾っておきたいほどのフル(とこっちの人間は略してかわいく呼ぶ)であることが医師の診断により判明。その後もどんどん進行する立派なフルさんのおかげで結局、40℃の高熱脳で一週間生きるという、人間的に貴重な状態におかれておりました。思わず柳田邦男が取材に来るかと思いました。一週間40℃が続き、わたしの脳は温泉卵になりました。やがてそのうち卵脳の底が白くなり、光のトンネルを抜けるとお花畑であった、はるか彼方では死んだはずのグレアムが「おいでおいでこっちの甘露はジントニ味」とか手招きをしていたりしているのであり、ああジントニ甘露いいねえ、グレアムのシャクならなおさらだよ、とふらふら気弱な温泉脳でさ迷いでようとしたまさにその瞬間、わたしの耳にはエリック声でしゃべるパイソンの神様が



「まだラスベガスがあるよーん」



その瞬間16トンの氷の御足が降臨し、その冷足で踏みつけられたかのように高熱は一気に冷めて引いていきました。そして思わず、「え、そうなんですか、やはりラスベガスに行かねばならんのですか」と叫び、叫んだ自分の声でわたしは平熱の清浄な世界につと引き戻されてまいりました。

どうしたものかラスベガススパマロット。いや、エリックの声でしゃべるパイソンの神様に命を救われた人間はつべこべ言ってはいけないのかもしれない。それにラスベガススパマロットのヴェニューは、かのショウビズの権化のような街で今いちばんナウい(死語)ウィンラスベガスだ。あそこならエリックんちもジョンちも近所だろうし。いやだからどうだというのだ動機が不純だ自分。と、これから当分うるさく悩み続けることになりそうです。

それとニュースがもうひとつ。もうご存知の方も多いと思われますが、テリJ先生が腸癌を患ったという報道、さらにこのとき暴露された、先生には実は現在23歳のスウェーデン人の彼女がいるという衝撃の事実。しかし手術の結果どうやら現在は回復の途上、しかしでもやはりかの女の子がかたわらに

奥さんはどうしていらっしゃるのかなあ、という心騒ぐ疑問はぬぐえないものの、その一方でなんとなく、ノーベル賞のノーベルは晩年に花売り娘に惚れてたいへんなことになっていたなあとか、マルクスもうら若いメイドさんに惚れてたいへんなことになってエンゲルスの世話になっていたよなあとか、なんとなくそういう学者的世界の先人たちのことを思い出してしまうのです。とりあえずどうか、お達者でいてくださいみなさま。

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