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29 September 2006

29SEP : マイケル・テリJ・ジョンの本のこと

◇ 唐突ですが、「オールウェイズ・ルック・オン・ザ・ブライト・サイド・オブ・ライフ」とは「人生前向きに行こう」という誘いかけではなく、文字的には「人生前向きに行け」というマイルドな命令形なんであって、このどちらでとるかによってブライアンのラストの意味がちと変わってくるという気がします。あの天使的クォリティを感じるほど美しい十字架の上のエリックが語るには、後者がより深いと感じるんですがどうでしょうか。

◇ ところでご存知の方はご存知と存じますが、しかし、かねてから噂のあったマイケルの日記出版話、これがいよいよ実現します。手始めに10月3日に三部作の第一部Diaries 1969 – 1979 : The Python Yearsが発売されます。わたしは、非常に控えめに言って、もうたまげちまいました。ハッパをやったことまできちんと日記につけちゃうたいへん几帳面なマイケルは、あの怒涛のパイソンの目撃者、というか作った本人のひとりとして、何をどう書いてくれているのでしょうか。こんなことが読めていいんでしょうか。すいませんわたしパイソノタなんですがこんなもん読ませてもらっていいんでしょうか。本当ですか嘘じゃないですか。マイケルってばかわいい顔して人の気を惑わせて、やっぱり外面いい人内面小悪魔ですか。うわあ楽しみでどうにかなりそうだー。

で、自著を出すたびに全国(と若干の外国)サイン会営業行脚に出るマイケルさんは今回はどうするのかなとちと調べてみたのですが、今のとこは11月の末にロンドンの講演とマンチェスターでのサイン会が1回ずつ組まれているだけのようです。(それぞれ11月28日と30日の予定)。それにこれは、この「日記」ではなくBBCの新しい旅番組関係である可能性が高いとみました。

◇ 一方、テリJさんはチェルトナム文芸フェスティバルに10月9日に出現するそうです。
え?わたくしですか。わたくしはまじめなカタギの人間ですから、こんな200マイル離れたとこの月曜日夜のイヴェントなんか、しっかり行きます。もうやけくそです。上記リンク先でも触れられていますが、こないだBBCで4週間放映されたBarbarians およびその後に出た本、これがえらい面白いものだったからいいのです。こういうふうに歴史おたくで歴史んなかに行っちゃってて古代のことを嬉しそうに現在形で語る歴史の先生っていたよなあ、とふと思い出すノリで、こういう先生と本とで勉強をしてみたいもんです。

◇ ところで今、映画「スーパーマン・リターンズ」にはまり倒しています。いや、えーと、あのリスペクトと愛とをもって隅々まで丁寧に再現された旧作の設定、および21世紀に空飛ぶタイツヒーローを成立させるためのの渾身のアップデートぶり、これがとんでもなくかっこよくリアルにうまくいっていて、見ていると自分がコドモのときにどんなふうにスーパーマンが好きだったかという感覚が強烈によみがえり、面白いものを「もっかーい!もっかーい!」とバカのように見たがるコドモ状態に陥り、でも今はコドモではなくてオトナなもんだから、もっかいもっかいと見てしまうという。おまけに主人公は超美形だし(ここ大事)。いや、美しいものは見るべきです。眼福目の保養殺伐日々の一滴の潤い甘露甘露。

しかしIMDbのトリビアで目にしたのですが、この「リターンズ」ではデイリー・プラネット紙の編集長役に当初ヒュー・ローリーが考えられていたそうで、いやこれは米ドラマ「ハウス」でのローリー氏の大ブレイクぶりを反映しているのだと思いますが、それにしても、えええええ!ジャッキー・クーパーの後が英人だったのかよ!とびっくりしました。いやジェームズ・ボンドだってオーストラリア人とかアイルランド人だったりしたし、現代映画界では役者の国籍はあまり関係ないのでしょうか。結局ローリー氏のスケジュールの都合でその話はなしになったそうですが、でももし実現していたとしてたらどうなっていたでしょう。たとえば、旧作ではかの新聞社はただの灰色のオフィスでした。そして「リターンズ」では、新聞社らしい最新のテクノロジがふつうに使われていて、人々はパソに向かいモニターでCNNを見て携帯電話で話をしていて、ジミーのカメラもよく見るとデジカメです。しかしその一方で、「新しいのに懐かしい」という映画をつらぬくテーマを象徴するかのごとく、その人々を囲んでいるデイリー・プラネット社ビルは外観も内装も素晴らしい琥珀色のアール・デコ装飾美術でいろどられています。編集長の個室もどっしりしたアンティークの机が据えられブラインド越しにオレンジ色の光が射しこむ美しい空間になっています。だからあそこにきちんとローリーさんを置いたらさぞかし絵になっただろうなとは思うんですが、しかしかれのアクセントは育ちのいい英人英語です。よかったのかなあそれで。いや旧作でだって、ある英人俳優がどんなに練習させても言葉が英国くさい英語になってしまうってんで、撮影だけして結局後で米人に吹き替えさせたってことがあったじゃないですか。いや「ないですか」って何をおしつけがましい、そんな28年前のことを誰がご存知だというのだ自分。(ちなみに、旧作1の落雷するエア・フォース・ワンを操縦している機長です。と書いて思い出しましたが、そういえばリターンズでも、シャトルの操縦士群の中にヴァージン社会長のサー・リチャード・ブランソンがなにげなくまじってました。たぶん現実のシャトル計画にヴァージン社が関与しているからだと思いますが)。

えー、いや、こんなふうにスーパーマン(以下、S男)の話を始めると止まらなくなるんであって、いい年して何言ってるんだ自分、それにいいかげんにブログの本題に関係ない話を管理人権限濫用で書くのはやめようと(さんざした後に)思ったとき、そういえばジョンがSuperman: True BritというS男本を書いていたぞと思い出しました。

よーく見ると、ジョン著ではなく「キム・ハワード・ジョンソン作、ジョン・クリーズ若干の協力」となっていたりします。


要するに、クリプトン星が滅びる直前ウニ型宇宙船により脱出させられた赤子のカル=エルが、アメリカではなくウェストン・スーパー・メアに落ちていたらどうなっていたか、という話です。とこの設定だけで妙におかしい。ジョンのおかげで「ウェストン・スーパー・メア」は、「ボルトン」「東アングリア」「ラットランド」などと同じく、それだけで笑える地名のひとつになってしまっているような。上掲は、人気アイドルバンド「ザ・ラトルズ」が車の事故で危機一髪、を救うべくデビューした直後の英版S男です。右ページ下にいるのがウェストンの育ての両親、テレビの上にいるのがペンギンです。

とはいえわたしはS男さんに関しては原作ではなく映画の方のファンなので、実はこのスプーフアメコミがどの程度スプーフなのかがいまいちよくわかりにくいです、と正直に白状しちゃいます。例えば「石炭を握ってダイヤにする」というくだりがあるのですが、調べてみたらこれはすでにネタとしてS男スプーフ界に存在するもののようですし。その他に「ヒートビジョンで茶を沸かす」というところでかなり笑ったのですが、これもすでにあるネタなのかどうか。

しかしよくわかることもあります。この英国片田舎ウェストンの育ての両親(なんかこの人たちは、ひと昔前の欧米人が描く日本人のカリカチュアみたいな顔をしている)は、この地球に落ちてきたスーパー息子に向かい、「人と違ったことをしてはいけない、近所の目を考えなさい、とにかく目立ってはいけない」とことあるごとに言って聞かせるのであって、本家アメリカの方で言われていた「息子よ、おまえがそういう能力を持っていることには理由があるんだ」とは、スケールがえらく違います。その違いがすごく英国的、というか、ジョン的視点で見た英国だなあとしみじみ感じます。

これにはたぶんジョンの個人的経験で、実際こう言われたことがあるんじゃないかと感じます。というのはこの両親の存在もなんか現実を反映しているっぽい。例えば、この人たちは特に理由もなくむやみと引越しをします。で、たまに帰省してきたS男さんは実家がもぬけの空になっているので呆然、全英中を飛んで探し回るというくだりがあります。それを読んで、そういえば「正伝」の中で、クリーズ家ご両親も引越し好きな方々だったと語られていたなと思い出すのです。

◇ いかん、パイソンまつりの続きを書こう、その前にちょっと余談を、とパソに向かったのに余談だけでこんなんなってしまった。まつりの模様はまた項を改めます。

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