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30 August 2006

30AUG : 笑うエディンバラ2006その4

◆炎の七三二十一日間のフリンジがおととい閉幕しました。わたしはうまく日常社会に復帰できずに困っています。あの怒涛のコメディ漬け快楽の後になにごともなかったかのように日常に戻れ忘れろとかは非コメディヲタに言う言葉、今のわたしはいっそ死ねと言われたい。だからと言ってあっさり死んだらそれもまた困りもんですが。

◆しかし、このエディンバラを2年間ずーっと楽しみにしていて(去年は「正伝」をやってて行けなかったのです)、とにかくあまりにも楽しみだってんで、こないだ7月ごろには「もういくつ寝るとエディンバラ、あとひと月でエディンバラ、ひと月たったらエディンバラに行ける、ひと月たったらエディンバラに行けて、そしてその後は… エディンバラから帰ってこなければなんない… うううひと月後にエディンバラから帰ってこなきゃならないなんて嫌だ悲しいうわああん」とかわけのわからない動揺をしていました。こうなるとビョウキ、というよりフリンジ中毒。フリンジで笑っていないと幻覚に襲われるとか。その場合カラダに這い登ってきたりする幻覚はぜひ小さなパイソンズかなんかであってほしいものですが、そうなると患者はけっこう楽しくて治療する気なんかおきないのが難です。

◆3週間にわたる過酷なフリンジマラソンの勝者には、今年からスポンサーが変わり「イフコメディ」と呼ばれるようになったフリンジ大賞が授けられます。もっともこの賞の新しい名称は、圧倒的に定着している去年までの「ペリエ・アウォーズ」にかわってどれほど認識されているのでしょう。
とりあえず大賞はフィル・ニコール。実はこの人は見ていないのですが、しかし特筆すべきはパネル・プライズのマーク・ワトソンです。フットライツ出身のスタンダップの人で、4年くらい前にピーター・クック追悼チャリティライブで見かけたのが最初でした。以来めきめきメジャーになっています。おととしには、アダム・ヒルズが「あいつのスタンダップは見に行ったほうがいいよー!」と強力に推していました。すでにロンドンでソロ公演を成功させているし、フリンジではもう説明抜きで名前が通用している感じになっていたし、今後どうなるか。楽しみです。

◆コメディのかたわら、街の中心のショッピングセンター「プリンシズ・モール」で、改装中の壁を利用し展示されていた、The Fringe: 60 Years, 60 Photosを見に行きました。ザ・スコッツマン紙協賛です。
誰かのはあるだろな、と下心抱いて行ったら案の定、若テリJ写真を発見。展示写真群のこの頁一番下右から2番目です。→

展示内のパイソン関係はそれだけだったので、スコッツマンさん他の写真はないのかいとつぶやきながらさっき改めて探してみたところ、マイケル写真のみを発見したんですが、ちょっと遠くて言われなければマイケルだとわからないですねこれは。撮影日がないということは、テリJ写真とは別の年に撮られたのでしょうか。


さてフリンジで見たものでよかったものメモ続きそして最後。

Synphonia
よく晴れてはいたもののすでに肌寒いくらいのエディンバラ、そのロイヤル・マイルの路上仮設舞台で、海パンいっちょでウォーターボーイズのような客引きミニ公演をやっていたイタリア人4人組です。足を止めた通行人に「この中にイタリア人はいる?イタリア人は?いない?よし、これでマンマにちくられずに好きなようにバカができる!」と言い、「みなさんわれわれはイタリアから来ましたあ!どうぞ見に来てくださあい、見に来るときはトマトを持ってきて、忘れずにわたしたちにぶつけて下さあい!」とさかんに叫んでいたのが上記リンク写真で一番奥にいる人でした。で、わたしが見に行ったのは、海パンに水泳帽姿のこの人がジョンに激似だったからです。人生の行動を決定するのにそういう動機でいいのかと問い詰められれば、そういう動機でいいのですとしか答えられませんわわたくし。

もっとも実際に行ってびっくり。30人くらいの小さな空間での昼間の公演で、新聞にもレビューはありませんでしたが、それにしては客はよく入っていました。たぶんこの路上客引きが大きかったからだと思います。しかし、路上ではウォーターボーイズだし、配られたフライヤーに印刷されていたのもこの写真だしで、だからてっきり肉体使用フィジカル系笑いだとばかり思っていたのですが、実はこの4人組はクラシック音楽のパロディの人たちでした。最初4人がびしっと燕尾服で決めて出てきて、なんだ様子が違うぞと思っていたら、いきなりたいへん美しいアカペラでコーラスが始まりました。びっくりしてひっくり返りました。
このへんにびしっとした写真があります。→
そこからいろいろ台詞抜きで視覚系のクラシックねたを連発、立ってストラップなしで演奏しているクラシックギターでZZトップのギター回しのあれをやったりとか(何度見てもどうやっているのかわからなかった)、いけてないロックスターに客席も含めて皆でトマトや芋やネギをぶつけたりとか客はきゃっきゃ言って大喜び、しかしそのベースにある歌や楽器はたいへんクラシック的に見事に決まっている。レイナー・ハーシュもそうなんですが、「クラシックができる人」が「コメディをやる」という、そのインパクトだけですでに他を一歩リードできるような気がします。思いがけずたいへん愉快な1時間でした。こういうことがあるからフリンジは楽しいのです。それと、長身燕尾服のジョン似の彼がウッドベースをバリバリガリゴレと弾く姿はそれはそれはカッコようございました。ってまたそういう動機か。そうなんですけど。


がーまるちょば
会場になっていたのはエディンバラ大学の学生ユニオンビルの一室の「ディベート・ルーム」という部屋で、暗幕の向こうにステンドグラスが見えたりして高級感が漂っていました。フリンジの中では大きめのスペースであり、そこがほぼ満席で、しかもほぼ非日本人で埋まっていました。開始直後から快調で、特に前半のいちびったパントマイムが非常に受けていました。こっちのダブル・アクトがマイムなんかをする場合、片方が行動して片方は受身とか役割分担されている場合が多いようなんですが、がーまるちょばの場合は両方ともどんどん素早く動き回るのが新鮮でした。後半の無言劇「街の灯」も、最初客席は「ん?」という反応でしたが、ああこういうことをやっているのかと客が理解してから非常にいい感じでした。日本だと台詞はついているんでしょうか。いやそれにしても、わたしはスポーツにはあまり興味はないのでオリンピックやワールドカップも適当に流す非国民な人生を送ってきたんですが、最後大拍手でひゅーひゅー言われている舞台の上の同胞を見て、ここに来てようやく国民復帰、はげしく「うぉーいいぞニッポンちゃちゃちゃ」な気分になりました。


あといろいろ見たんですが、面白かったものとなるとこのくらいでしょうか。
で、
ここでひとことだけ。
がんばれフットライツ。ぜひともフットライツ。ここ3年ほど「面白くなくはないけど」という調子だったんですが、今年のスケッチ仕立て芝居は見ているのがかなりしんどかったです。いやそれでもフットライツだから、小さめながらもわりとちゃんとした会場でレビューもされてそして客もわりと入っているのです。それはフリンジの中ではとっても恵まれている立場だと思うのです。だからがんばってほしいのです。2001年にはペリエ・アウォーズにノミネートだってされたんだし、それにあのフットライツの中の人たちなんだぜひ。

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26 August 2006

26AUG : 笑うエディンバラ2006その3

ちょっと余談です。
昨夜アッセンブリーのミュージック・ホールわきのバーで、わたしはアダム・ヒルズの開演を待っていました。
するとそのふたつ前のスロットでやはりミュージック・ホールの舞台に立っていたはずの、ティム・ブルック=テイラーとグレアム・ガーデンが連れ立って現れました。ふたりとも帰り支度で肩にカバンがかかっていました。
そこにアッセンブリーのスタッフシャツの女の子が走ってやってきて、奥のプレスルームの方を指さし、早口で何か用ありげにしゃべりました。そして「ちょっと待っててください」という仕草を両手で示し、また小走りで去っていきました。
ふたりは女の子の後ろ姿を見送って、「じゃ」という感じでバーのカウンターに寄りかかり、待ち体勢になったのですが、
そのときかれらふたりの距離がとても近かったんです。
いや、人と人との距離ってありますよね。知り合い度とか親しさによって左右される、人間が話をするときに無意識に置く間隔。
ミドルクラスの英人男性同士の場合、たとえ親しくても、「ミドルクラスの英人男性同士」であるべき一定の空間が常にあるような気がするんですが、
そのときティムさんとグレアムさんの立ち位置はものすごく近かった。それは不意をつかれるほど、見ていて思わず「近い」と感じてしまうくらいの。
初老で白髪になったグディーズふたりはそういう距離で当たり前のように立っていて、そして互いにささやくように話をしてはときどき笑顔が見えました。わたしは反対側の壁際で、この光景を覚えておこうと、かれらがプレスルームに呼ばれて去るまでテーブルに頬杖ついてじーと眺めていました。

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25 August 2006

25AUG : 笑うエディンバラ2006その2

フリンジの会場は、大はちゃんとした劇場から小はパブの2階を片付けて暗幕張って椅子を並べただけのものまでさまざまで、エディンバラの街中にはそういう空間が約300箇所つくられています。それぞれの場所で昼過ぎから深夜まで芝居・スケッチ・スタンダップなどが平均1時間のスロットで回転しており、総公演数は確か1800本くらいになるはずです。しかもこれはコメディ部門のフリンジだけの数字です。さらにこの他に演劇や音楽や映画や文芸部門があるわけで、これはちょっとただごとではありません。こういうただごとではないことを毎年ちゃんと実現させているエディンバラの中の人たちをわたしは尊敬しています。

1800公演の中から何をどう見るか。
その選択には慎重な判断と大いなる決断力とが要求されます。
とはいえ知っているもの以外は結局、「ザ・スコッツマン」や「ザ・ガーディアン」などの新聞、「ザ・メトロ」などのフリーペーパー(いずれもフェスティバル期間中は毎日数ページの特集を組んでいる)、「スリー・ウィークス」等フェス専門フリーペーパー、フリンジサイトなど、メディアにあがっているレビューに丹念に目を通し『これは自分に面白そうだ』と思うものを探すという地味な、しかし楽しい作業に頼ることになります。

レビューの印象と自分の直感とを頼りにチケットを買ってとことこ見に行き、そしてそれが本当にびしっと面白かったときには、なんというか賭けに勝ちをおさめたようでたいへん気分がよいものです。あいにく面白くなかったときには、ちくそう時間と金返せ!などと大人気ないことを叫んだりはせず、まあおまつりで縁起もんだし。とつぶやいてどんどん次に行くのです。

で、見たものでよかったものメモ続き。

Adam Hills: Characterful
その1800本の中で、フリンジに来たならとにかく何をさしおいてもこの人は見るべしと断言できるのがオーストラリア人のスタンダップ、アダム・ヒルズです。年々会場がどんどん大きくなっていて、今年はキャパ600のアッセンブリーのミュージック・ホール、そこを毎晩ほぼ満席にし続けています。

この人の何がいいかって、とにかく話がうまいのがいい。いやスタンダップの人なので話がうまいのは当然なんですが、なんというか、言おうとしていることがものすごくよく伝わってくる。役者やコメディアンに必須のこの人に伝える技術を『デリバリー』と呼びますが、そのデリバリー能力が明らかに段違いに優れています。そして話題が明るいのがまたいい。誰かをおとしめて笑うとかそういうことをほとんどしない(もっとも、ブッシュやブレアに対する皮肉はぴしぴし言いますが)。

今回は、「おととしフリンジに来たとき、アッセンブリーの向かいのパブで『カッコーの巣の上で』の舞台に出演していたクリスチャン・スレーターとマッケンジー・クルークと飲んでいたら、ある客が突然倒れ、そこに医者とスコットランド人セキュリティとバート・シンプソンの声優のナンシー・カートライトが出現してえらい騒ぎになった」という話が爆発的に面白くて酸欠になるまで笑いました。でも内容を詳しく書いたところでそのデリバリーのすごさは伝わらないと思われるので割愛します。おととしのねた Go You Big Red Fire Engine! がCD になっているのでぜひ実際におたしかめください。 →

アダムで長くなってしまったのでまだ続く。

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24 August 2006

24AUG : 笑うエディンバラ2006

地元の人は『エンブラ』と発音するエディンバラに来ています。おととい朝5時半に起きだしそのまま車に転げこみ、A1を半目のまま平均時速 85 マイルでひたすら北上、午後に到着、返す刀でよれながらその足で街に出てきました。するとエンブラ中フリンジとフェスティバルの熱気と喧騒とがびしびしで、ヨレ頭もその空気で電子レンジタマゴのごとくいきなり沸騰、というかぼんと爆発、正気などとうに飛び散り、何もかも忘れて面白がっています。

見たものでよかったものメモ。


Spymonkey - Cooped
一見堅そうな4人組による、一見古城の貴族や執事なんかが出てくる純ゴシックスリラー芝居なのですが、特に上記リンク写真中央の男性はかなり男前の人なんですが、全員その壊れ方が半端ではないです。このリンク先に『男女の全裸シーンがあるんで注意して下さいね』と書かれていますが、それは本当です。本当に全裸が出ました。文字どおり身体張ってます。素晴らしい。


Brendon Burns : Sober Not Clean
いかに自分はアル中になって病院送りになったかということを語る、マッチョなオーストラリア人のスタンダップ。1分に5回くらい FとかCとかの単語が入り、露骨な下ねた満載でむちゃくちゃやばい(よって途中退席者数名)。でも、いいのかこの目の前の人のこんなに悲惨で乱暴な話を笑っても、とためらう間もなくねじふせられるようにして笑わせられました。乱暴なんだがぎりぎりのとこで踏み留まり自虐笑いにすり替えている感じに圧倒されました。余談ですが、遅れて入場したら『うわー中国女が来たぞ!』とかなりいじくられました。


Mozart's Back!
04年のボーガ・アゲイン!で大ブレイクした笑うクラシックピアニスト、ライナー・ハーシュがモーツァルトの一人語り芝居で帰ってきました。わたしはおととし見て『素顔はそうでもないのにベートーベンの真似をするとジョンに似ている』という変なホメ言葉を書いた記憶がありますが、今回モーツァルトのかっこでもやはりジョンに似ていました。前回あった自己紹介がわりの『いかに自分は笑いピアニストになったか』みたいな語りは、今回は双方了承済みとして省略、完全に一本の芝居になっていて、それがたいへん面白い。『わたしは幼いころに父親に才能を発見されて演奏旅行に連れ回されたわけで、要するに元祖マイケル・ジャクソンみたいなもんです』とか、モーツァルトの携帯の着メロがベートーベンだったあたりがかなりツボでした。


The Goodies Still Rule OK! Tim Brooke-Taylor & Graeme Garden Live On Stage
ティム・ブルック=テイラーとグレアム・ガーデンのトークとグディーズのハイライトシーン上映の1時間半。この人たちの場合、ビル・オディがいないじゃんとか、内容が面白いとか面白くないとかそういうレベルの話ではもうないです。わたしは2人版ISIRTA生再現、および生レディ・コンスタンス(じじいバージョン)を聞けただけで幸せです。生きててよかったです。泣きそうです。それにしても、若いころのティムさんの女装は本当に美しい。『英国首相に立候補するエビータ(音楽:アンドリュー・ロイド・ウェーバー)』をなんか後光がさしてます。また、それを見ながら照れている初老のティムさんが妙にかわいくてぐっと来てしまいました。好き好き好きグディーズ。

この稿もうちょっと続く。

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16 August 2006

16AUG : 怒涛のタイドランド体験

ケンブリッジにテリG新作映画 Tideland を見にいきました。
いろいろなことが言われてさまざま意見が割れているようですが、
わたしはこの映画が好きだ!わたしはこの映画が好きだ!この映画がものすごく好きだ!素ん晴らしい!とにかく美術がものすごくテリG的に美しい!
特に、ローズとディケンズが出会って草の海を泳いでいく、ひとりになったローズが家が沈むのを見る、そしてパパとローズが浮遊している、の一連。
ここですよここ。
このくだりがココロうち震えるほど美しいので不覚にも目から目汁が出ました。
そしてウンザリするほど美しいものがズラズラ続き、
そのとどめに最後のミカンと蛍。
もう一度とどめの目汁でした。
だから終わった後、「なんだかモノスゴイものを今見てしまったんだがあれはいったいナンダッタンダ」とつぶやきながら、わたしは夜のケンブリッジの街をしばらくふらふらさまよいました。

美しいものはいろいろありましたが、たとえばデルとディケンズの家の内部が琥珀色の迷路みたいですごい。その家のわきに生えてる木に変なものがいっぱいぶらさげられているのがすごい。それからローズのうちの白いペンキの塗り方が、いかにも「デルとディケンズの仕事」であることがひしひしとわかるのもすてきだ。いや、というか、だいたいあの草原が奇跡みたいな光景で、だから美しい画面は映画全部といっていい。パパのアレだって全部美しい!もう完璧にやられました。

それにしてもあの女の子。美しい画面を完成させるのはひとえにあの女の子の存在にあると思いました。すごい女の子だすえおそろしい。しかしどうするんでしょう、こんなすさまじい映画にこの年で出てしまって。

もちろん批判があるのもよく理解できます。あのストーリーが好き嫌いをきっちりわけてかかるでしょうし、それに特にこっちでは、コドモを性の対象として見ることは社会的に絶対だめなので、その手の表現には非常な嫌悪感をひきおこされます。だからこの映画の後半の描写はものすごくやばいです。(もっとも、監督はそんなこと百も承知でやってるんでしょうが。)ディケンズとローズが「コイビト」とか言っているあたりで、まわりの英人さんたちは「オウ、ノウ!」とつぶやいていました。

あと最初のテリG宣言。なんというか、あれでいきなり、ついてこられるかどうかフィルターで振り分けられるような。もう、最初から「これは一般受けしようとは全然思ってないよこれを見るのはオレのファンだけに決まっているし」と断定していますね監督。いさぎよい。

もっともわたしは思うのです。
キチガイみたいな映画を撮っていた監督さんが、年をとったある日ふと糸が切れたように、「まとも」な映画をやりはじめる、という例がありました。ジョン・ウォーターズの「ペッカー」とか。デイヴィッド・リンチの「ストレイト・ストーリー」とか。それについての是非はともかくとして、とりあえず、じじいになっても相変わらずパワフルで嫌悪感もよおすキチガイ映画を撮り続けているテリGさんはやはり、映画界にとって貴重な存在だと思うのです。


結論としては、

これは「不思議の国のアリス」というよりは


テリG版奇怪幻想「トトロ」である。


と感じたのですがどうでしょう。

いや変な結論ですが。

(そうすると、デルがおばあちゃんで、ディケンズが寛太なのか。うむ。)

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14 August 2006

14AUG : 北のテリJ、そして空飛ぶ誰か

上エディ間近でうかれている管理人なので、北の方に関するコネタをふたつ。

★ エディンバラ関係のサイトを流していたとき、ちとおもしろいものを発見しました。
エディンバラ城下のロイヤル・マイルに「ウィッチェリー・バイ・ザ・カッスル」という、ガイド本にはかなりの確率で載っているそのすじには有名なレストランがあります。
そこの有名人ゲストブックに、テリJさんが一文を寄せています。しかもこの右頁で直筆が読めてしまいます。→★★★
いわゆるひとつの「来店有名人の色紙」オンライン版というか。

しかしこれ、

「おめでとう!なんて素晴らしいゲストブックなんだ!ここは素敵なコメントと好意とでいっぱいだ!自分も加われて嬉しい。テリー・ジョーンズ」

と、やはりひとすじなわではいかないことを。
ちなみに日付は2000年の8月。これはあれですね、ホリグレ撮影地再訪旅で上エディしたときですねたぶん。しかしマイケルは同伴していなかったようでやはり「惜しい」感が漂う、と言ってしまってテリ専の方々もうしわけありません。というかいるのですかテリ専の方って。と言えば言うほど深みにはまっていくテリJ問題。

★ こないだ「スーパーマン・リターンズ」を見ました。いやー、クリストファー・リーブリアル体験世代を照準に据えてこれでもかこれでもかこれで満足かウルァ!というほどの「旧作へのわんこリスペクト愛」が詰めこまれた映画でした。エピソード1が出たときにスター・ウォーズファンのみなさんが大騒ぎしていらっしゃいましたが、すみません、そのお気持ちが今ようやくわかりました。

で、
映画中盤、ロイス・レーンがレックス・ルーサーによりとらわれの身となる場面があります。
そして部屋に監禁されてしまいます。
ところでレックスは用があるので、手下に「いいかこの部屋からこいつを出すな」と言いつけて去ります。
手下は黙ってにやにやしながらロイスを見張っています。
ロイスは見張りのスキをついて、そばのテーブルにあった紙と筆記用具をぱっとひったくります。
手下は気づいているのかどうか、にやにやしながらこっちを見ています。
ロイスは素知らぬ顔をして、視線を落とさず手下と目を合わせたまま、手元で「今これこれこういうとこにいますどうか助けて」とメッセージをさらさら書きます。
手下さらにニヤ顔を絶やさず見ています。
ロイスもさらに素知らぬ顔で、そのメッセージを発送しようとしたり。

と、
なんだか非常にめくるめくデジャブー感な展開。
思わず時空は混乱し、
世界地図を前に身振りつきで「これは全部オレのものだ!」と楽しそうに語るレックスに対し、今にもロイスが「何?カーテンが?」とツッコんだりしないかと気が気ではないです。
しかしその助けてメッセージを送った結果実際に助けに来られるのならば、えー、空飛べなくても目から光線出なくても綱宙吊りでうろたえててもいいからわたしはランスロット希望。いや、新スーパーマンは「素顔でCG」とのホマレも高い古典的美貌で白い歯をきらめかせたりしていますが、とりあえずえーと、身長ではランスロットの方が上だ。うん。えーとそれから。それから。えー。

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08 August 2006

08AUG : 英国象徴としてのパイソン、シュレック3、フリンジ開幕

またしてもパソが不調、それに関しまたしてもいろいろなアレがあり、またしても身も細る思いを味わったのですが今回は省略。とりあえず、こういうようなことがまたあったというわけで。もうなんつうか、身も細る。さあ、皆様も英国式不条理ダイエットでげっそりやつれてみませんか。

管理人がやつれている間にどうやら、

(1) 7月20日のコメント欄で空飛ぶ編集人eno7659さまもおチクリ、もとい、お知らせ下さいましたが、パイソンのみなさんが「英国のアイコン」として認定されたそうです。
エキサイトニュース→★★★

で、これを認定したアイコンズなる団体とは何者か。よく読んでみると、どうやら文化庁の支援を受けている民間団体らしい。役所関係の団体とはいえ、そういうとこには実は天下りの人々がたわむれているとかそういうことはこの国ではあまりないので(少しはある)、どうやらまじめに運営されてこういうことをプロジェクトとして行っているところのようです。個人的には「アイコン」は、エキサイトニュースにあるような「国宝」というよりは、「英国の象徴」と、やややんごとなき方面の語彙で現した方がいいような感じもしますが。

ごく最近、教育庁あたりを中心に「英国らしさとは何か、どのように後世に伝えるべきか」という議論がありました。華麗に没落しつつ教育の有無や貧富の差は拡大しつつ新しい若者文化を吸収・産出しつつ社会はさまざまな人種を受け入れつつ戦争やテロなんかにもさらされつつある今のこの国では、それはもう絶対に、「紳士淑女の国」ではない。では何なのかというと、あまりに混沌としすぎていったいなんなんだかよくわかりません。もっとも、その混沌をつくりだしているのはまずたとえばわたくしのようなガイジンが居座っているからであって、英人のみなさんにしてみれば「おめーにいわれたーねーよ」てなところかもしれませんが。

しかし、こういう時代にあえて、では国を象徴するものを探そう、とする動きが起こるのがなんか今の英国らしいと思いました。そして、そこで選ばれているものが「今はもう存在しないもの(あるいは存在していても、数十年前の文化に属しているもの)」だというところがやはり今の英国だなあと。(「おめーにいわれたーねーよ」とのツッコミはとりあえず却下。)

それにしても、デフォルトで反体制であったパイソンもこういう対象になるのかと思うと、ついエリックの「現在のパイソンが『愛すべきコメディアン』になっていることにいまだになじむことができない」という名言を思い出すわけです。けれども、愛すべき普及版パイソン的イメージで今いちばん稼いでいるのもまたエリックなんであって、いや、パイソン世界はなかなか油断ができません。


(2) で、噂をすればカゲ。エリックがシュレック3で「マジシャン」役の声をあてるそうです。ジョンのハロルド王様も続投するようなので、エリジョンという比較的珍しい組み合わせで声共演です。

これ、個人的にもともとシュレック映画好きだったので、ジョンが来た2の時点ですでに一石で二鳥を落としたというか、エビで鯛を釣ったというか濡れ手で粟というか、とにかくそういう非常に得をした気分になれていたのですが、こんだエリックですか。いやーもう、転んでもただでは起きないというか、サザレ石が集合してイワオになったというか。いや自分で書いててよくわかりませんが。

しかしシュレック2のメイキングを見るに、声優さんは互いに会うことはあまりなく、ばらばらに自分の声のとこだけ録音させて帰っていく、みたいな感じだったようです。ま現代のアニメーションなんてそんなもんか。とも思うのですが、なに、かまうもんか。要はカタチだ。人間はカタチから入るのだ。というわけで、いったいその「マジシャン」がどういう役なのかさっぱりわかりませんが、とりあえず今から楽しみです。なお、2でカエルと化してゲコゲコ言っていたハロルド王様はいったい3でどう出てくるのかも不明ですが、とりあえず、頼んだよドリームワークスの中の人々。ということはスピルバークを含むのか。頼んだぞスピルバーグ。ミュンヘン3回見たよ、というかわたしはスピルバーグ世代なんでなんだかだ言ってスピ映画全部見てるし。ということで、そこんとこよろしくね。いえよろしくして下さいお願いです頼みますどうか。

(3) 昨日7日月曜日から、いよいよ年に一度の歌舞音曲大騒ぎ祭り「エディンバラ・フェスティヴァル」が始まったってんで、ちとニュースになっています。わたしが今月末に見に行こうとしているのはコメディ部門の「フリンジ」ですが、しかしそのフリンジ以外にも音楽・まじめな芝居・映画・美術などが街中でばらまいたように一斉に噴出し、それぞれのまわりにも物見高い人々が山のように集まり、フェスティヴァル期間中むこう三週間、この北の都は、涼しい夏を熱くすべくぼうぼう燃えあがるようにたいへんなさわぎになります。

昨日の朝、BBCニュースを見ていたら、アナウンサーがエディンバラの清水坂とでもいうべきお城の下のロイヤル・マイルに立ち
「ジョン・クリーズなど著名なコメディアンの登竜門であった、エディンバラ・フリンジが今日から始まりました!ごらん下さい、この人出、そして大道芸人たちの熱気!」
とさけんでいました。
ここで「著名なコメディアン」として名前が出てくるのはジョンなんだなあ、と改めて感心しました。
しかしそれと同時に、ちょっと待ってよBBCさん、確かにジョンはフリンジには行ったけど、それはかれが脇役の年のことであって、実際にジョンの登竜門として機能した「ケンブリッジ・サーカス」はエディンバラには行っていないんだよ、エディンバラに行くかわりにロンドンに引っ張られて、その後ニュージーランドとニューヨークに行ったんだよ、と細かいツッコミを入れるヲタが若干。

ちなみにそのロイヤル・マイルからの中継後、フリンジでひさびさのザ・グディーズ生復活をはたすってんで、ティム・ブルック=テイラーさんとグレアム・ガーデンさんがニュースに生出演してインタビューされていました。ビル・オディはやはり不参加らしいのですが、グディーズ強力プッシュファンとしてはもう、細かいことにはこだわりませんそれだけで幸せ、丼メシ3杯はいけます。わたしはほとんどこのツーショットが舞台に立っているのを見るために、500マイルの彼方の極北まで、7時間くるまをころがしてまいりますエディンバラへ。

あ、それからがーまるちょばなる人々をも見にまいります。実は不勉強にしてこの同胞の参加を知らずにいたのですが、ある方におととしご教示頂きました。肉体的にたいへん勇気あることをなさる方々のようで、去年までの評判はかなりよいです。オリンピックよりもたのしいです同胞の活躍。

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