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16 August 2006

16AUG : 怒涛のタイドランド体験

ケンブリッジにテリG新作映画 Tideland を見にいきました。
いろいろなことが言われてさまざま意見が割れているようですが、
わたしはこの映画が好きだ!わたしはこの映画が好きだ!この映画がものすごく好きだ!素ん晴らしい!とにかく美術がものすごくテリG的に美しい!
特に、ローズとディケンズが出会って草の海を泳いでいく、ひとりになったローズが家が沈むのを見る、そしてパパとローズが浮遊している、の一連。
ここですよここ。
このくだりがココロうち震えるほど美しいので不覚にも目から目汁が出ました。
そしてウンザリするほど美しいものがズラズラ続き、
そのとどめに最後のミカンと蛍。
もう一度とどめの目汁でした。
だから終わった後、「なんだかモノスゴイものを今見てしまったんだがあれはいったいナンダッタンダ」とつぶやきながら、わたしは夜のケンブリッジの街をしばらくふらふらさまよいました。

美しいものはいろいろありましたが、たとえばデルとディケンズの家の内部が琥珀色の迷路みたいですごい。その家のわきに生えてる木に変なものがいっぱいぶらさげられているのがすごい。それからローズのうちの白いペンキの塗り方が、いかにも「デルとディケンズの仕事」であることがひしひしとわかるのもすてきだ。いや、というか、だいたいあの草原が奇跡みたいな光景で、だから美しい画面は映画全部といっていい。パパのアレだって全部美しい!もう完璧にやられました。

それにしてもあの女の子。美しい画面を完成させるのはひとえにあの女の子の存在にあると思いました。すごい女の子だすえおそろしい。しかしどうするんでしょう、こんなすさまじい映画にこの年で出てしまって。

もちろん批判があるのもよく理解できます。あのストーリーが好き嫌いをきっちりわけてかかるでしょうし、それに特にこっちでは、コドモを性の対象として見ることは社会的に絶対だめなので、その手の表現には非常な嫌悪感をひきおこされます。だからこの映画の後半の描写はものすごくやばいです。(もっとも、監督はそんなこと百も承知でやってるんでしょうが。)ディケンズとローズが「コイビト」とか言っているあたりで、まわりの英人さんたちは「オウ、ノウ!」とつぶやいていました。

あと最初のテリG宣言。なんというか、あれでいきなり、ついてこられるかどうかフィルターで振り分けられるような。もう、最初から「これは一般受けしようとは全然思ってないよこれを見るのはオレのファンだけに決まっているし」と断定していますね監督。いさぎよい。

もっともわたしは思うのです。
キチガイみたいな映画を撮っていた監督さんが、年をとったある日ふと糸が切れたように、「まとも」な映画をやりはじめる、という例がありました。ジョン・ウォーターズの「ペッカー」とか。デイヴィッド・リンチの「ストレイト・ストーリー」とか。それについての是非はともかくとして、とりあえず、じじいになっても相変わらずパワフルで嫌悪感もよおすキチガイ映画を撮り続けているテリGさんはやはり、映画界にとって貴重な存在だと思うのです。


結論としては、

これは「不思議の国のアリス」というよりは


テリG版奇怪幻想「トトロ」である。


と感じたのですがどうでしょう。

いや変な結論ですが。

(そうすると、デルがおばあちゃんで、ディケンズが寛太なのか。うむ。)

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Comments

あー!

今すとこん、と腑に落ちました。
そうだったのかあれは「きちがいトトロ」。
似たようなタイトルどっかにあったな。

この調子で行って欲しいすねえ、テリGさん。

Posted by: masami | 05 September 2006 at 08:45

あの糸井重里の朴訥声のアズキ色チョッキにメガネおとうさんが、ヤク漬けでガスたまって膨れてっておばあさんと寛太に分解されミイラにされるわけですね>基地外トトロ。ただでさえ当時トトロをわーいと劇場に見に行ったコドモたちはうっかり同時上映の「火垂るの墓」をも見せられてしまいあのおかあさんミイラが超トラウマになっているというのに、そんなんだったらもうトラウマの屋上屋ですね。

Posted by: akko | 05 September 2006 at 11:24

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