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24 July 2006

24JUL : ザ・ケース・アゲインスト・パイソン続きとロンドンスパマのきざし

前回の Friday Night Saturday Morning の件の続きをちょっと。

「フライデイ」を見ていると、60年代に大学生だったパイソンズの皆さんは、精神がデフォルトで「反体制」なのだ、そして自分たちが何にどう疑問を持っているのかということ、それをどう表現すれば人に伝えられるかということを把握している、と強く感じました。
そのメッセージがナンセンスな笑いを通じてそれでも非常にクリヤーに伝わってくるという点が、21世紀になっても思わず人々がフライング・サーカスやパイソン映画を見てしまう、という理由のひとつではないかと思った次第です。

しかしあれです。
普段はあまりぺらぺらしゃべる方ではないジョンが、この「フライデイ」では体制の権化のようなお年寄りにボコボコやられて燃えたのか、言われることに非常に明晰な口調で突っ込みを入れたり切り返したりするところが物凄くカッコイイ。
とは前回書きましたが、
実は、その鮮やかな切り返しに観客が思わず拍手をすると、ちょっと「ふん、どんなもんだ」という得意そうな顔をするんですねジョンが。ジョン専ゴコロ一撃。イイ。

ところでこの討論を企画したのは、かのイアン・ジョンストン氏です。ジョンストン氏は、ホリグレ、ブライアン、そしてワンダの好ましいメイキング・オブものを作ったり(それぞれのDVDに収録されているあれです)、それから確か007シリーズにジョンが出るように取り計らったのもこの人だったはずです。
で、
ワンダのメイキングでジョンストン氏は、やはり言葉を選んで慎重にしゃべっているジョンを、ちと意地悪ともとれる質問でちくちくつついてちょっと怒らせてみる、その結果インタビューがとても面白くなった、という腕を発揮しています。そう考えると、この「フライデイ」も、案外こういう展開を期待しつつ仕掛けたのではないのかなこの人は。という気が少しするのですがどうでしょう。


さてお話変わりまして。
BFIに行くために上ロンしたので、その夜は芝居見物に行きました。
そしたらチケット売場にこういう物件発見。★印はクリックで拡大します。


ロンドンスパマロットの豪華なフライヤー(というのかな)です。
一番上に「ミュージカル劇場を1000年退化させる!」とあります。

三つ折になっていて、


一回開いたところ。
上のマイケル・ペイリンさんは思い切りスペリング間違えてますが(正しくはTerrific)、縁故関係はないそうです。
それから右頁の「3番目に背の高いパイソン」というエリックの肩書きと、右下の「黒死病より面白い」という「週刊修道士」のメイナード神父のコメントにかなり笑いました。誰ですか週刊修道士のメイナード神父って。




全部開いたところ。
ウシが落下してきました。
写真はNYブロードウェイのオリジナルキャストです。


あと、裏面の一番下に小さく注意書きが。


Spamalotflyer4_1

「『スパム』はホーメル・フーズ社の登録商標です」、これはまあ当然として。
次の「この芝居の最中、役者に負傷者はほんのちょっとしか出ません」。続けてアスタリスクにあるのは「プロとして当然の範囲を除く」。という意味か。
出るのか、負傷者。スパマ役者は夢の遊眠社なみにカラダ張っているのか。パイソンのためなら命を捨てても惜しくはないのかスパマ役者たちよ(←そこまでは言ってない)。早く来いこい9月の初日。

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20 July 2006

20JUL : ザ・ケース・アゲインスト・パイソン

18日に上ロンし、ブリティッシュ・フィルム・インスティテュート(BFI)まででかけて行って、そして1979年11月にBBCで放映されたFriday Night Saturday Morningを見てきました。これは「正伝」356ページあたりで言及されている、「ブライアン」についての熱心なキリスト教関係者およびジョンとマイケルによる討論番組です。断片はいろんな機会に切れぎれに目にしてはいたものの、うーんなんとか通して見てみたい、実際に何がどう起こったのか知りたい、とずっと思っていました。で、こないだ突然その「知りたい」気分がある臨界点を越え、わたしは電話をかけ始めたのです。

大英図書館に問い合わせたら、ここにはないという返事でした。BBCにあたってもたぶんだめだろうなあとしばらく考えた後、そうだと思いついてBFIさんに訊いてみたところ、「その番組ならVHSでアーカイブに保存されています。リサーチ目的ということなら有料でお見せできますが、見たいですか?」という丁寧なお返事。「見たいです見たいです」と答えたところ、「それでは申し込み用紙をお送りしますので、ご希望の日時と、そしてリサーチのテーマをお書きの上ご返送ください」とのよし。

だからわたしは書きました。「リサーチのテーマ: モンティ・パイソン」
一応本当だし。

当日はその品のよい担当の方にもお会いし、申込書を渡して少し話をしましたが、ポンニチ女を前にして「モンティ・パイソンのご研究ですか。それはそれは」と、まったく動じていらっしゃいませんでした。やはりプロは違います。

さて。
かの「フライデイ」はティム・ライス(TR)の司会による1時間番組で、「ブライアン」の抜粋をはさみつつ、前半3分の1がティムとジョン・マイケルの会話、後半そこにサウスワーク区の司教とマーコム・マゲリッジが加わる、という構成です。

前半はごくなごやかに進みます。話の内容は「ブライアンがどのようにできたか」という、たとえばジョージ・ハリソンが助けてくれたとかそういうわりと一般的なことです。そのときに初めて知ったのが、ブライアンが何故「ブライアン」という名前なのかという理由です。TRがそう問うと、

MP「ブライアンという響きが、凡庸でありふれていてなんの特徴もなくてにぶくて血の巡りに問題ありそうな感じがするからで、例えばフライング・サーカスで、ジョンが頭のあまりよくないサッカー選手になってインタビューされるスケッチがあるけれど、あれがブライアンだったね」
JC「そう、あれは、ブライアンだったが例えば『ケビン』でも同様の効果があがっただろう(観客笑)」

こういう「名前の響き」感覚はなかなか非英語ネイティブにはわかりにくいもんがあります。日本語にするとなんでしょう。無法松の一生。違うか。

それにしても、ネクタイをしめたスーツ姿のジョンと対照的に、マイケルがノータイでひじにつぎのあたったジャケット、スニーカーというくだけた英人ファッションでリラックスしていて、にこやかな潤滑油みたいに場をなごやかにしています。というか、なんか言葉や仕草がいちいちかわいいマイケル。水差しを手にとってふと「これって水道水?まったくBBCはけちだから」と笑顔で言ったりして、いやこういうことをさくっとイヤミでなく言ってのけることはジョンにはできない芸当だ。

あとこういう会話が。
TR「ホーリー・グレイルの後にはみなさんソロで活躍するようになっていたし、もうパイソンズが分裂しそうになっていた状況を、『ブライアン』が救ったということになるんでしょうか」
MP「そう、そう言ってもいいかもしれない」
JC「なにしろ我々は、プライベートでは全員互いに嫌いあっているから」
MP「んー、ぼくはきみが嫌いじゃないよ」
JC「(えっ、という表情)」
MP「いろいろ言う人もいたかもしれないけど、きみを嫌いになったことなんて一度もないよ(にこにこ)」

わあっ。さらっと言うなさらっとマイケル。見ろジョンがなんか照れてくにゃくにゃしてるじゃないか。まったくこれでは小悪魔と呼ばれても仕方がないぞマイケル。と、わたしはモニタにつっこみ、ここの部分だけ何度もくり返して見てしまいました。本題からそれているとわかりつつもどうしても。マイケルの小悪魔ぶりここに全開。わるいやつだなあ。

気をとり直して本題部分。
後半にいよいよ司教とマーコム・マゲリッジ氏(MM)が登場します。
結論から言うと、問題は
「このふたりのお年寄りが、『ブライアンはイエス・キリストではない』という、基本的なパイソンの主張を理解していない。しようともしていない」
という点にあり、だからどうしても話がかみあわない。
というか、世界を大雑把に「パイソンを理解する人」と「しない人」とにわけた場合、このおふたりはどうやら後者に属するようです。(司教のほうはどうやらフォルティ・タワーズは知っているようでしたが、フライング・サーカスはあやしいです。)

視聴時間が限られていたので会話をすべて起こすことはさすがにできませんでしたが、印象に残った部分をできるだけ書きとめてきました。以下はその概略です。

最初に発言を振られた司教はこういうことを言う。
司教「イエス・キリストを否定することは人間にはできないのだ。この映画により君たちはいったい何を言わんとしているのか、私にはまったくわからない。私はあちこちの大学に呼ばれるし学生とも話をするから、学生レベルのユーモアのことは知っているつもりなんだが…(観客笑)」
TR「それではこの映画が、キリストのことを貶めているとお考えですか」
司教「そのとおりだ」

その後。
MM「例えば、子供は下品な四文字言葉を聞くと笑うだろう。(中略)君たちは、プロフェッショナルにその手のことをやっているのだ。君たちは磔刑と復活というすばらしい歴史を貶めているのであり、映画としてもできは最低のレベルだ」

この「磔刑を貶めている」と、「できは最低レベル」は、その後の発言でも何度もくり返されます。これに続いてMMはどんどん話し続けます。

MM「考えてみたまえ、キリストの復活はあらゆる文明の発展の源に根ざしているのだ。そしてあらゆる文化を刺激しているのだ。例えばそれにインスパイアされてきたのは歴史上の優れた美術家、芸術家、建築家、文学家、建築家…」
JC「(しれっと) …30年前のドイツ、宗教裁判… (観客、一拍おいて爆笑)」
MM「(黙殺。その後芸術とキリスト教について話した後) つまり、君たちの映画は、そのような形を真似をしようとしたラクガキであるのだ」

JCが「なんかえらく基本的なとこから話さなきゃいけないんだなあ」という顔をしつつ
(顔にそう書いてある)、

JC「まず最初に申し上げたいのですが、ブライアンはイエス・キリストではありません。それを我々はいろいろな方法で示しているはずです … (その具体的な例を挙げる。) … そして我々は、キリスト教を否定しようとはまったく思っておりません。我々が伝えようとしているのは、宗教に対して疑問を持て、ということです。それを批判的な目で見つめてみるべきだ、ただ、人に信じろと言われたから信じるという態度を改めてはどうかということです」
司教「では君たちの映画を、例えば14歳くらいの何にも染まっていない無垢な子供が見たとしよう。その子に、こういう映画を見た上でそれでもイエスが偉大な存在であったと信じていろと言えるのか」
JC「それは本人の判断に任せるべきです。疑問を持ったら、聖書を読めばいい。そこで問えばいいのです。イエスの死後30年経って伝聞で書かれたマルコの福音書とは、はたして真実なのかどうか?例えばそういうことです」

そのしばらく後にMPが割って入る。
MP「(笑顔が消えている) すみません、宗教心とおっしゃいますが、ぼくはこの国の宗教のありように混乱させられることが多いんです。確かに日曜日に教会に熱心に通う人が、そのかたわらで戦争をしたり爆弾を落としたり、国の病院の予算を削ろうとしたりして…」
司教「教会関係者は病院に最大限の貢献をしている。それは君の認識不足であり、ただのたわごとにすぎない。(客がざわめく。MPが嫌な顔をする)」

しばらく後。このあたりからJCのディベート能力のメートルがあがってくる。
MM「仮に君たちが預言者マホメットの映画を作ったとしよう。もしそうなら、君たちは今もっとたいへんな状況に置かれているだろう」
JC「まったくです、仮に今が400年前の世界なら我々は非常に危険にさらされていたでしょう。つまり、我々の文明はそこから進歩しているのです、それを示していると私は考えます (客喝采)」
MM「キリスト教にインスパイアされた歴史上の偉大な表現芸術に比べると、君たちのやったことは、進歩しているとは言いがたい」

さらに少し後。
JC「(乗り出すようにして)ですからマーコム、我々の意図は、まさに例えばあなたのような人にその考えを見つめなおして、それは正しいのかどうかということを考えて頂きたいということなんです」
MM「…あー、きみはそう思うのかどうかわからないが、君たちの行動によって、私が考えを変える可能性はまったくないだろう」
JC「それでは我々の映画のことは忘れてください。もっと一般論でお話をしましょう。なにしろおっしゃるとおりあれはくだらないゴミみたいなもんですから」

その後話は「ブライアン」を離れて宗教一般へ。
JC「キリスト教の偉大な表現とおっしゃいましたが、マーコム、私は固いプレップ・スクールに行き、その後パブリック・スクールに通いました。10年の間英国的宗教観を叩きこまれ、10年の間、その宗教教育が大嫌いでした。何かひどく侮辱されているような気分でした。そしてこのたび映画を作ることになり、改めてキリスト教について勉強しなおしました。すると、自分に知らされていなかった事実が山ほどあるということに気づき、私はほとんど怒りを覚えたんです。何故あのときに誰もこれを教えてくれなかったんだろう?何故これが伏せられていたのだろう?だいたい、私は福音書が何語で書かれたのか、どこで、いつ書かれたのか、何一つ教えられていなかったんです。これはどういうことなんでしょう」

観客が「ほう」「うんうん」とかざわめいているとき、司教がニヤリとする。

司教「ああそういえば、私はクリフトン・カレッジには何度も行ったが、君はあまり授業にはいなかったようだな」

観客笑。JCがさすがに苦笑い。

その後。
MP「我々の磔刑の表現に問題をお感じとのことですが、十字架に磔というのは、当時の極刑のひとつの方法です。そうして刑を受けた人々はイエスの他にも大勢いましたし、我々の映画で磔にされているのはイエス・キリストではありませんし、実際にイエスのときにもそのわきで罪人が同時に…」
MM「(さえぎり)こんなとるにたらない映画をひとつ作ったからと言って、どうして君たちに千数百年間受けつがれてきた十字架の深遠な意味がわかるというのだ!」

このへんでジョン・マイケルとも「なんかやんなってきたなあ」と表情にあらわれてくる。

MM「その千数百年間の間にキリスト教の奥深い叡智が人類にもたらした影響は偉大であり、それが及んでいる国々は数多く…」
JC「たとえば今のアラブ諸国もそうですね」
MM「そんなことは関係ない!(JC思わずうろたえる)人類は千年以上にわたり、十字架と復活を賛美してそれを受けついできたのだ。それを君たちは、なんだあの歌を歌うやつ、そんなふうに扱っているではないか、あの最低レベルの映画で」
MP「(両手の平をMMに向け)そのとおりですおっしゃるとおり、あれが最低の映画だというお話はよくわかりました!」

ここでついにマイケルがキレてます。珍しい光景です。前半のにこやかさがあるから余計に印象的です。

そしてこのへんにいなると、ジョンもマイケルも「もう聞いているのが嫌になりました」という気分が露骨に態度に表れているので、その後MMと司教はふたりともTRの方を見て話すようになり、しかも「だから君たちのあの映画が」とTRに言ったりする。TRは「すみませんマーコム、わたしは中立の立場の司会者であり、この映画にもお二人にもなんのかかわりを持たないんです」と言うけれども、お年よりにはぜんぜん通じていないらしい。

で、MMと司教がTRに向かって大声で糾弾を続け、混乱して収拾がつかなくなったあたりで時間切れになり、TRがほとんどほっとしながら「それではみなさん、もう時間もなくなりましたので…」とおさめようとしたところ、最後に司教が投げつけるようにかの「銀三十枚を受けるがいい」発言。それを聞いた特にマイケルが、「がーーん!」とショックを受けた顔をします。TRがおっかぶせるようにして「それでは次に、気分を変えて、音楽のコーナーにまいりましょう」と、そこでようやく切り替わります。

上記、約50分間。
ダグラス・アダムズがこれがすごく好きで、録画ビデオを人に見せて回っていたそうですが、その気持ちはすごくわかる。これ、むちゃくちゃカッコイイです。特に、冷静に自分の考えを説明する口調、および相手の言っていることに反応しすばやく切り返すジョンがもう物凄くカッコイイ。しびれます。コメディがここまで熱く鋭く理性的に語られたことがかつてあっただろうか、またはこれからもあるだろうか。いや、あのパイソンズ(のふたり)があの傑作「ブライアン」を語る、しかも熱くなって本気で、という理想の枠組みはおそらくこれ以外に存在しない以上、ないのでしょうこれまでもそしてこれからも。だからこの「フライデイ」は、コメディの歴史に必ず刻まれるべき数十分間だと思います。キレるマイケル・ペイリン、という希少な映像が含まれているという点でも。あ、それから「ぼくは嫌いじゃないよ(にこにこ)」と、そう言われてくにゃーとかしているジョン映像もまた含めて。と、せっかく長文を人様に読んでいただいたというのに本題以外の点でまとめるなよ自分。でも、ああ、はるばるお金払って見に行った甲斐がありました。やはりなんでも見てみるもんです。そこには必ず何かがあります。



お世話になりましたBFIさん

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13 July 2006

13JUL : ファッションは自己表現、のはずで

わたしは当ブログもお世話になっているニフティ様のデイリーポータルZが大好きで、日々欠かさず拝読しているものです。もともとは「コラム息切れ」の小野法師丸さんがライターとして参加されているという理由で読み始めたのですが、次第に他のライターさんもみな非常にたのしい方々ばかりであるという事実に気づき、もうやめられなくなりました。

で、
ライターさんの中でもわたしはウェブマスター林雄司さんの視点のかるみ、及びその自然体、というかふしぎなたたずまい、にやられています。この風にしなう柳のようにさりげないふりして要点に切り込んでくる手腕は、絵にたとえればあたかも円熟期のセザンヌのようです。ほれます。特にこの「30歳からのあみぐるみ」などは、その方面の婦女子のココロわしづかみではないでしょうか。いやどの方面かはともかく。


個人的にはあと、コーコーセー若者に翻弄される「かぶりものでモテたい」と、妙にシュールで心に残る「大きな箱を持って」が好きですきで。

しかし、
気になることがひとつ。
林さんは、
ときどきスパムTシャツを着ている。
そうですあのスパムです。
たとえばこれとか。
これとか。


このTシャツってかのホーメル社特製のコレですよね。


えーと、
ふつうの人は、
スパムのシャツは着ないと思うのです。
いや林さんはちょっと「ふつう」から1.94m ほど飛びすさった位置にいらっしゃる方のようにお見受けするのですが
(注: ほめてます)
それにしても、オンラインメジャーな方にこれを着られるとなんだかうろたえてしまいます。

こういうとき、はたしてパイソンヲタクはどうすればよいのでしょう。うーん。なやむ。いやもうなんだかよくわからないなやみですがそれでも。

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08 July 2006

08JUL : パイソニアン、北へ

◆ 前回ぶんは今読み返すと妙に調子が暗いです。これは話題が重いという理由がまずありますが、同時にどうやら下り坂にあった管理人の機運をも反映していたようです。というのは前回以来わたくしは、ヤマイと負傷とに同時にみまわれ、その間隙を縫って車が3回、パソが2回故障し、メールを含むHDの中身がすべて消失、とどめに傷口を泥靴で踏みつけるがごとくラットランド州役所から来た住民税の請求が300ポンド間違っていて(もちろん多く請求されている。どうせ間違えるのなら少なくしてほしいのだが、そういう間違いはかれらは決して犯さない)、かなりヤラレておりました。思わず軽く気絶していたりしている間にワールドカップもどんどん日程が消化され、わずかに記憶にあるのは、初期の試合にドイツ対ポーランドというあまりにあんまりな組合せがあったので固唾をのんで見守り、その間中ずっと「戦争の話はするな絶対にしてはいかんぞBBCアナウンサー」とつぶやいていたことくらいです。もっともそう感じた人はほかにもいたようで、この試合をめぐりこのワン・ライナーが使われるのを、TV・ラジオ・新聞などで何度も見聞きしました。

◆ TFJC内の「ジョン・クリーズに関するあなたの知らない10の真実」のページに誤りがあることをR.C.さんからご指摘を頂きました。早速訂正しました。→★★★

× 『ジョン』は母方の祖父、ミドルネームの『マーウッド』は父方の祖父にちなんでいる

○ 『ジョン』は父方の祖父、ミドルネームの『マーウッド』は母方の祖父にちなんでいる

R.C.さんどうもありがとうございました。そして基本的な事実を誤認していたことをお詫びいたします。
全宇宙13人のTFJCersのみなさまにおかれましても、今後もどうぞご意見ご指摘ごツッコミのほどよろしくお願いいたします。

◆ 今年2月にエリックが小雨の路上に出張してきて、トニー賞受賞作家みずからカラダ張ってスパマロットロンドン公演のチケットを売っていました。もっともわたしはそのカラダ張りぶりを見逃しましたが。くくくくく。このへんこのへんにそのいきさつがありますが今でも思い出すと泣けるううううう、でもそれはともかく。
先日別件でチケットマスターを流している際ふと
「そういえば売れているのかロンドンスパマロット」
と都会に出て行った我が子を案じる母親のような心境になり、ちらりと様子を見てみました。

(余談ですが、ファンとチケットとの関係は愛憎半ばする微妙なものだと思います。発売前は「なんぴとたりともあたしの前には買わせん、売り切れたら許さんええいそこをどけ道をあけろ一番いい席はあたしのための席なのだ」とリダイヤルボタンを連打しつつ(あるいはボックスオフィス前の列の最後尾でじたばたしつつ)考えていますが、争奪戦の末いざ目当てのチケットを入手すると、「ところでちゃんと自分以外のほかの人もあの券を買っているのだろうな、売れていなかったら困るなあ」とちょっと心配にもなったりして。)

そしたら、
2月の時点では、ロンドンスパマロットの初日は「10月2日」だったのですが、いつの間にかそれが「9月30日」にくり上がっているのを発見。→★★★
通常、芝居の日程が増えるときには後ろにのびるものだと思うのです。
ロックやポップの方での「急遽追加公演決定!」というあれも、たいがい本公演の後や間に入るものです。
初日が早められる、という事態は初めて見ました。
しかもあんなに派手に売り出した券なのに。
もちろん何らかの理由があるのでしょう。
で、その理由に関してわたしは、たぶんああいうことじゃないかな、ああいうことだったらいいな、個人的にはそういうこと希望、と予想というか幻想を抱いてはいますが、とりあえずきちんと調べがつくまでは妄想は個人脳花畑内にとどめておこうと思います。といって、どこの誰に訊けば調べがつくのかよくわかりませんが。誰かエリックに電話して訊いてくれませんか。

◆ それにしても、来年のラスベガス拡大が気になる(まだスパマロットの話です)。ティム・カリーのアーサー王がロンドン公演で復活するのなら、ハンク・アザリアのランスロットとデイヴィッド・ハイド・ピアースのロビンというすてきな騎士カップルがラスベガスで再出現しないだろうか。しかもハコは今ラスベガスで一番ナウい(死語)トレンディな(死語)ヴェニューであるウィン・ラスベガスだ。もしハンク・ランスロットとDHPロビンが揃うのなら、行っちゃうかもしれない、わたし。とか意識のすみで考えている自分にふと気づく。誰か止めろ。

◆ 夏です。
夏といえばエディンバラ・フリンジです。
いや夏のフリンジでコメディ快楽にふける数日間を楽しみに残りの1年をがしごし働いている人間としては、夏とはフリンジ断定なのです。
だから今年は何をどう見に行こうかなあ、とうきうきしながら計画をたてる段階からもう法悦、さあ楽しませてくれ今年のフリンジちゃんへへへへへとにやにや笑いつつプログラムをめくっていて、
びっくり。

なんとザ・グディーズがエディンバラで復活します。→★★★

しかも会場は、フリンジで一番ステイタスが高い、ここに出るには相当面白くて集客力がなければならないはずのジ・アッセンブリーです。

なにげでじわじわやるなザ・グディーズ!!

2003年のDVD全集1枚目発売、およびロンドンでのぷち再結成イベント

去年頭のDVD全集2枚目発売

去年クリスマスのBBC再結成特番

今年夏エディンバラのアッセンブリーで復活

素ん晴らしい。

しかしどうもビル・オディは参加しないようで、そうするとグディーズ3分の2であるわけですが、別にいいです。こういう経過を逐一目撃できているだけでわたしは幸せですし、それに、ちまたには「フレディ・マーキュリーなしでクイーンを名乗る人々」とか「リック・オケイセック抜きでカーズをやってる人々」だっているくらいですし。いやもちろんビルさんが来ればそれにこしたことはないわけで。来ないんだろうけど、別にいいんだけど、でも来ないかな。来たらいいな。いや来ないんだろうけどな。と、当日開演直前までやきもきさせられ続けることになるのでしょう。まだまだ油断できませんザ・グディーズ。

◆ その一方。
エディンバラの西北、ドゥーンの杜に、そびゆるヲタクの聖なる城壁ことかのドゥーン城にて、毎年9月初めに「ホリグレを上映してついでにパイソンであそぼう」というイベントがあります。今年は9月3日日曜日です。→★★★

毎年8月にフリンジに行くたびにこの城を訪れ、そして売店で借りたココナツをぱかぱかやっては並ぶパイソン物件をチェックし、とかそんな行動をしているから店の人に見抜かれ、「もしもしそこな日本人、9月になれば映画会あるよ、来ない?」と誘いを受けます。このイベントは数年前からやっているそうですが、初年は適当に宣伝しておいたら当日人が2000人くらい来てしまい大混乱になったので、翌年から限定500枚の前売チケット制にしているそうです。

しかしフリンジとはいつも微妙に日程が合わず(フリンジはたいがい8月最終週の頭に終わり、映画会は9月第1週の日曜日である)、数年間見送るばかりでした。

今年もフリンジと日程は合いません。
が、
行きます。


つまりフリンジ後にスコットランドまでもいちど出直すことになるわけで、そうするだけの都合がつくかどうか現時点ではまったく不明です。しかし、このままではわたしは「ドゥーン城のホリグレ上映パイソン大会に行きたいと思いつつ結局行かなかった人間」として死んでゆくことになり、そしてわたしは「あの人は最後までホリグレ現場上映会に行きたがっていたのに決断できずにホリグレを現場で見られなかった人でした」なんて言われながらのうのうと死んでいたくはないのです。しかしこんなふうに人生について感じるとは、死期でも近いんでしょうか自分。もう加齢臭ふんぷんですか。

気をとり直して、チケットに同封されてきたすてきな招待状を。クリックで拡大します。


チケット・招待状ともに、「お城の中庭でやるんでスコットランドの気候にそなえた格好しておいで」というところが重要そうです。あそこらへんは9月でも夜はかなり冷えるのでしょう。それから敷物や椅子持っといで、よかったら貸し出しクッションあるよ、というのがなんかほのぼのとしています。ちなみに中庭とは、ハーバート王子の結婚式の日、無駄に走ってきたランスロットが門番を刺し殺した後になだれこみ、楽隊や女の子たちを大量殺戮するあの血まみれの空間です。ほのぼの。ちなみに上にリンクをつけたヒストリック・スコットランドの頁ではこのイベントはちょっとオサレに「パイソンフェスト」と称されていますが、とりあえず当頁ではこれを「こころのヲタク祭り」と呼ぶことに今決定しました。ヒストリック・スコットランドの中の人たちにはないしょです。

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