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24 July 2006

24JUL : ザ・ケース・アゲインスト・パイソン続きとロンドンスパマのきざし

前回の Friday Night Saturday Morning の件の続きをちょっと。

「フライデイ」を見ていると、60年代に大学生だったパイソンズの皆さんは、精神がデフォルトで「反体制」なのだ、そして自分たちが何にどう疑問を持っているのかということ、それをどう表現すれば人に伝えられるかということを把握している、と強く感じました。
そのメッセージがナンセンスな笑いを通じてそれでも非常にクリヤーに伝わってくるという点が、21世紀になっても思わず人々がフライング・サーカスやパイソン映画を見てしまう、という理由のひとつではないかと思った次第です。

しかしあれです。
普段はあまりぺらぺらしゃべる方ではないジョンが、この「フライデイ」では体制の権化のようなお年寄りにボコボコやられて燃えたのか、言われることに非常に明晰な口調で突っ込みを入れたり切り返したりするところが物凄くカッコイイ。
とは前回書きましたが、
実は、その鮮やかな切り返しに観客が思わず拍手をすると、ちょっと「ふん、どんなもんだ」という得意そうな顔をするんですねジョンが。ジョン専ゴコロ一撃。イイ。

ところでこの討論を企画したのは、かのイアン・ジョンストン氏です。ジョンストン氏は、ホリグレ、ブライアン、そしてワンダの好ましいメイキング・オブものを作ったり(それぞれのDVDに収録されているあれです)、それから確か007シリーズにジョンが出るように取り計らったのもこの人だったはずです。
で、
ワンダのメイキングでジョンストン氏は、やはり言葉を選んで慎重にしゃべっているジョンを、ちと意地悪ともとれる質問でちくちくつついてちょっと怒らせてみる、その結果インタビューがとても面白くなった、という腕を発揮しています。そう考えると、この「フライデイ」も、案外こういう展開を期待しつつ仕掛けたのではないのかなこの人は。という気が少しするのですがどうでしょう。


さてお話変わりまして。
BFIに行くために上ロンしたので、その夜は芝居見物に行きました。
そしたらチケット売場にこういう物件発見。★印はクリックで拡大します。


ロンドンスパマロットの豪華なフライヤー(というのかな)です。
一番上に「ミュージカル劇場を1000年退化させる!」とあります。

三つ折になっていて、


一回開いたところ。
上のマイケル・ペイリンさんは思い切りスペリング間違えてますが(正しくはTerrific)、縁故関係はないそうです。
それから右頁の「3番目に背の高いパイソン」というエリックの肩書きと、右下の「黒死病より面白い」という「週刊修道士」のメイナード神父のコメントにかなり笑いました。誰ですか週刊修道士のメイナード神父って。




全部開いたところ。
ウシが落下してきました。
写真はNYブロードウェイのオリジナルキャストです。


あと、裏面の一番下に小さく注意書きが。


Spamalotflyer4_1

「『スパム』はホーメル・フーズ社の登録商標です」、これはまあ当然として。
次の「この芝居の最中、役者に負傷者はほんのちょっとしか出ません」。続けてアスタリスクにあるのは「プロとして当然の範囲を除く」。という意味か。
出るのか、負傷者。スパマ役者は夢の遊眠社なみにカラダ張っているのか。パイソンのためなら命を捨てても惜しくはないのかスパマ役者たちよ(←そこまでは言ってない)。早く来いこい9月の初日。

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Comments

「『スパム』はホーメル・フーズ社の登録商標です」

この一文はおそらくNY初演前、製作発表のときから関係文書に粛々と入れられてたんだろうと想像しますが、パイソンに魅入られてしまったこの会社の運命を思うと、別の意味で感慨深いものがあります。
自社の製品名を勝手にお笑いのネタに使われ、あまつから連呼され、その後20年間さんざんバカの代名詞としてからかわれた挙句、ネット時代が来るや否やまたもや勝手に「スパムメール」と誰かが言い出しやがったせいで諸悪の根源のように扱われ、30年余にわたってそのような誹謗中傷を受けているにもかかわらず

「『スパム』はホーメル・フーズ社の登録商標です」

という一言ですべてを許している。きっと、社内会議で
「即刻『スパム』という言葉を使うのをやめさせろ! 名誉毀損で訴えてやる!」
「お言葉ですが専務、彼らが『スパム』を連呼しているおかげで競合他社と比較しても弊社の商品名の知名度はダントツに高くなっております。好きにやらせておけばよろしいのではないかと愚考いたしますが」
というやり取りがあったのは二度や三度ではないと思うわけですが、
パイソンとホーメル・フーズとの間でこの30年間どんなやり取りがされてきたのかが非常に気になります。
マーケティング論の事例として実に貴重だと思うのですが、すでに先人の研究成果などがあるんでしょうか。

Posted by: eno7659 | 25 July 2006 at 18:07

ホーメル社の方もスパムギフトサイトなどつくって楽しそうにやっている、と当然のように受け取ってしまっていて、改めて同社の内部の葛藤に思いをめぐらせてみることを忘れていました。パイソンのみなさんがあれだけものごとを疑えそのまま信じるな、と言っているにもかかわらず。猛省。

しかし、そう言われてみれば確かにたいへん興味ぶかい問題です。マーケティングの中の人にとっては究極の選択でしょう。笑われつつも知名度をとるか、名誉のためには宣伝効果を犠牲にするか。

あまねく地に満ちわたるパイソノタのことですから、固い大学でまじめにMBAなんかやってる方が絶対いらっしゃるでしょう。そのような才能と才気とヲタゴコロあふるる人材に、ぜひ一発このテーマで学位を取得して頂きたいと希望します。と他力に頼る口調なのは、油断すると、あまりに面白そうなのでうっかり自分で手を出しそしてものすごくはまってしまいそうだからです。

Posted by: akko | 28 July 2006 at 10:50

ホーメル・フーズの本社敷地内に「スパム博物館」という建物があり、
しかもパイソンのコーナーもあるみたいですよ。
http://media.hormel.com/templates/knowledge/knowledge.asp?id=128&hlite=true&querytext=spam%20museium

ただ問題は場所だ。地図を見るかぎり、この近辺にほかの目的で行く可能性はほとんどなし。
http://media.hormel.com/images/refimages/museum/misc/MuseumMapweb.jpg

誰か近所に用事のある人は見てきてもらえないもんでしょうか。

Posted by: eno7659 | 30 July 2006 at 03:03

ミネソタ州ですねえ。なんだかとんでもなく遠そうで辺鄙なとこだ、ということがうっすらとわかる以外どんなとこだか見当もつかない。
と思いつつリンク先の地図を参照すると
「世界一巨大な原油空タンク集積所」
「でかい湖」
「カナダかよ」
などが周辺にあるということがわかり、
というかますますどんなとこだかわからなくなりました。

個人的に、スパムスケッチのセットが再現されているというパイソンコーナーはもちろん、「スパムをアメリカのアイコンとして成立せしめた」と言い切っているホーメル社のマーケティング史と、「スパムを愛するスパムファン」による「スパム・ア・ラブ・ストーリー」がかなり気になります。こういう企業の博物館はいろいろありますが、ホーメルさんの場合なんかこうノリがいいというか、あるいは「やけくそ」という単語すら脳裏によぎります。かなり行きたい。いやよう行けませんが。でもパイソノタとしては死ぬまでには一度。なんかこう、聖地巡礼という気配すら濃厚になってまいりましたが。

Posted by: akko | 05 August 2006 at 13:01

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