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04 January 2006

04JAN : ザ・ラスト・ラーフ・イズ・オン・ユーの続き

2日の続きです。
チャンネル4さんはこのような「○○な○○ベスト50」を募って決めるのが実に好きで、コメディ関係だけでもこれまでに「一般投票による一番面白いスケッチベスト50」(1位がリトル・ブリテンで2位が「オウム」)、「一般投票による一番印象的なキャラクター」(1位がホーマー・シンプソンで2位がバジル・フォルティ)、「英コメディ業界人によるベストコメディアン50」(1位がピーター・クックで2位がジョン・クリーズ)、「英米コメディ業界人によるベストシットコム50」(1位がフレイジャーで2位がフォルティ・タワーズ)、今思い出せるものでもこれだけあります。探せばもっとあるはずですし、そのほかに映画や音楽関係でもいろんな定義のベストもんがCH4的基準でどんどん決められています。以前その一環として「グレイテスト映画100本」で投票を募ったら、一般にグレイテストと言われているはずの映画(例「市民ケーン」)ではなく、CH4では「スター・ウォーズ」が1位になった、ってんでちょっとした騒ぎになりニュース種になったりしてました。

で、そういうベストもの番組、つまり映画やドラマなどの切り貼りと人のコメントで3時間を埋めるということをくり返すCH4の姿勢に批判はもちろんありますが、しかし、それが結構面白い。地上波は相変わらずBBC2局と民放2局という一時期の富山県のような環境におかれている英国において、CH4さんが、みなさまのBBCでも開局50年というITVでもないオルタナな視点を地上波に持ちこもうとして試みているのが、かなりはっきりとわかるからです。その試みが好きかどうかは別にしても。

で、
2日でとりあげた「ベストコメディ50」ですが、順位はこんなん出ています。全部とりあえず原題で並べちゃいます。

50. The Producers, 1968
49. Carry On Cleo, 1964
48. Bridget Jones' Diary, 2001
47. National Lampoon's Animal House, 1978
46. The Princess Bride, 1987
45. Kingpin, 1996
44. Beverly Hills Cop, 1984
43. The Ladykillers, 1955
42. Police Academy, 1984
41. Bill And Ted's Excellent Adventure, 1988
40. Duck Soup, 1933
39. Team America, 2004
38. A Shot In The Dark, 1964
37. Stir Crazy, 1980
36. Four Weddings And A Funeral, 1993
35. Trading Places, 1983
34. The Odd Couple, 1968
33. Planes, Trains And Automobiles, 1987
32. The Full Monty, 1997
31. School Of Rock, 2003
30. Best In Show, 2000
29. Dr Strangelove Or: How I Learned To Stop Worrying And Love The Bomb, 1963
28. When Harry Met Sally, 1989
27. The Jerk, 1979
26. Ferris Bueller's Day Off, 1986
25. Gregory's Girl, 1980
24. Ghostbusters, 1984
23. A Fish Called Wanda, 1988
22. M*A*S*H, 1970
21. Withnail & I, 1987
20. Young Frankenstein, 1974
19. Clerks, 1994
18. Meet The Parents, 2000
17. Dumb And Dumber, 1994
16. Some Like It Hot, 1959
15. Wayne's World, 1992
14. The Naked Gun, 1988
13. Groundhog Day, 1993
12. Blues Brothers, 1980
11. Annie Hall, 1977
10. This Is Spinal Tap, 1984
9. There's Something About Mary, 1998
8. Blazing Saddles, 1974
7. American Pie, 1999
6. Monty Python And The Holy Grail, 1975
5. South Park: Bigger, Longer & Uncut, 1999
4. Austin Powers: International Man Of Mystery, 1997
3. Shaun Of The Dead, 2004
2. Airplane!, 1980
1. Monty Python's Life Of Brian, 1979


「あなたにとって一番面白いコメディ映画は何ですか」と問われ、このような異なる50の答えを返したCH4視聴者のみなさんを、わたしはひとりひとり問い詰めてまわりたい。政治的に正しい「一番面白いコメディ映画」であるはずの「お熱いのがお好き」が16位、マルクス兄弟は40位、「卒業」や「アパートの鍵貸します」に至っては入ってすらいません。それに対して、「面白いコメディ」としてポリス・アカデミーやファレリー兄弟ものを選ぶ人がいるのがCH4です。あと、メル・ブルックス関係が多いのが印象に残りました。

で、
そんなオルタナCH4の投票だし、今回はブライアンが10位以内に入ればいいかな、ホリグレは30位代くらいか、と思いつつ見ていたら。
あたしゃたまげました。なんて強いんだパイソン。クラシックとかオルタナとか、そういう境界線をあの人たちはすでにはるかに超えている。

もっとも他の47本(「ワンダ」も除く)を見て、そしてパイソン映画をくらべて見て思いました。やはり、人間が6人いて、その人たちが全員コメディが書けて、演技も監督も美術も自分たちでまかなうことができた、というのは、「奇跡」とまではいかずとも、浮木に頭つっこんだ盲亀が6匹同時に揃うくらいすごいことだったのだ、と。パイソンズ偉い。ちなみにコメントには、マイケルとテリGとそしてキャロルが引っぱりだされてきていました。

そのほかにもこのリストには、酒でも飲みつつこれ見ながらしゃべったら一晩中続くぞと思う点がいろいろありますが(いかがでしょうDonald Macさん)、とりあえず、ひそかなスティーブ・マーティンファンとしては、「花嫁のパパ」とかではなくシブイ「天国から落ちた男」が入ったので嬉しい。(でも一番好きなのは「奇跡を呼ぶ男」です。)それから、「ショーン・オブ・ザ・デッド」が3位に入ってすばらしい。脚本・主演のサイモン・ペッグ、名前を覚えておいて絶対損はありません。この人がつくるものはどれもみな感覚が新しく、それでいてすごく英国くさくてブラックで、痛快です。

あと実は。
わたしがひそかに楽しみ、というか、気合いを入れていたことが。
現代の人々が投票して、
「フォー・ウェディングス」と「ワンダ」ではどちらが上になるんだろう。と。

「一番面白い英コメディ映画」として、「一番売れたから」という理由でよく名前が挙がるのが「フォー・ウェディングス」です。でもそれまでは、一番売れた英コメディは「ワンダ」だったのです。で、ジョンが「フォー・ウェディングス」が嫌いだと言った、という話をずっと前に聞いたことがありまして。思わず、「そりゃそうだろうなあ」とつぶやきました。それにリチャード・カーティスの映画は、ジョンやパイソン系のユーモアなんてまるでこの世に存在しないがごとく振舞っているからなあ。でもいつもいい男が出てるな。それは間違いないな。「ブリジット・ジョーンズ」で、自分をめぐってヒュー様とコリン様が殴りあいのケンカをするなんて、確かにブリジット世代の女の理想郷だなあうんうん(深くうなずく)。あ、いや、それはつまり、それに対してパイソン映画にはいい男が出ていないという意味では決してなく、いやパイソンのみなさんはいい人たちですよ、あー、えーとその、この問題は以前にも一度拙日記で論じられたことがありますが、結局論じれば論じるほどわれわれは墓穴を深く掘るばかりである、という結論が出たのみであり。

えー閑話休題。
つまりこの勝負、ヒュー・グラント対ジョン・クリーズ、ヒュー・グラント対ジョン・クリーズ、ぱんつを頭にかぶってジョン・クリーズの勝ち。ちなみに「フル・モンティ」よりも上だったのでかなり嬉しい。

しかし納得がいかないものももちろんありまして。30位の「ベスト・イン・ショウ」、確かに面白い映画でしたが、何故ここに入っているのかが正直言ってよくわかりません。それと、「どうしてここに入っていないんだウリャー」と暴れたくなったのが、「マーズ・アタックス!」と「ザ・サンシャイン・ボーイズ」と「ヒズ・ガール・フライデー」です。「ザ・プロデューサーズ」も、もし新作映画が公開されていなかったらたぶんここには入っていなかったわけで、そう考えると思わずわたしは、このような答えを出したCH4視聴者のみなさんをひとりひとり問い詰めてまわる旅に出かけたくなります。

とりあえず、今回もCH4はニュース種になりました。ジョンがラヴリーです。→★★★

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Comments

ワタクシもスティーブ・マーティンがSNLの常連だったころからのファンのクチなんです、実は。
スティーブ・マーティンは「All Of Me」のスティーブ兄ちゃん(当時)のひとり芝居が往年のSNL芸そのままひきずってて一番好きなんですが、これも入ってませんな。
どこに目ぇつけてんだ、グレブリのコメディ好きは!と、私ぁ、どやしつけてやりたい。
東の端っこでちまちまやってる1コメディおたくあたりにケチつけられる程度のレベルたあ、演劇王国グレブリの名が泣くぞ!
だいたい「真夏の夜の夢」「真面目が肝要」ぐらい入れといてやれよ、ったく。せっかくのグレブリのチャートなんだから。

それにナニですな、これ。
サイレントものがてんではいってません。これも気に入りません。
「Modern Times」はどうなったんだぁ?ああん?
オースティンパワーズの256倍は体動いてるぞ、チャップリン爺さん。
ったく。めくらどもめ。
お前らの顔の真ん中についてるそれは、それ、ほんとに目玉か?ああん?
バセドー氏病みたいなデカい目玉ついてる割には、何も見えてないんじゃないのか?カラー・コンタクトだか何だかをはめ過ぎて、視力弱ってんじゃないのか?とクサしたくなりますな。
エディ・キャンターもはいってないじゃん、これ。

このアンケートに答えた名もなき投票者のみなみなさまは、本当にコメディ好きなのか?
まきさんもおっしゃってるように、「ヒズ・ガールス・フライデー」も「アパートの鍵....」も入ってなきゃ「フィラデルフィア・ストーリー」も、入っていやしない。
どうよ?これ。
なんだよ「4. Austin Powers: International Man Of Mystery」って。
怒りを通り越し、小1時間「コメディ史レクチャー」開講してやりたいぐらいです。


ちなみにUSAのほうの「The Gratest Films(でしたっけ?毎年、やってるヤツ)」は、『カサブランカ』が例によって1位だったらしいです。
ほんとにアメリカ人って、バカ。もう、救いようがないぐらい、バカ。改めて認識したチャートでございました。

大酒かっくらい、おだ上げ、こういうバカ話、オールナイトでやりたいですねえ、ほんと。
しばらくロンドンにゆく予定がないので、来日された折にはご一報くださいまし。
勿論!
ロンドンへ行く予定(たいてい仕事からみですが)が発生した暁には、いの一番に、まきさんへお知らせいたします。一晩、どっかのバーでさんざ悪態つきまくりましょうね。


なお、最近は「ネットラジオ」と言わず「ポッドキャスティング」と言うそうです。
ほれ、例の、あの林檎社のジャンクmp3プレイヤーが大当たりした影響で。
内容はネットラジオと変わらないんですけどね。
ったく、このInfomation Technologyとかいうやつの言葉先だけちょいと変え目新しく見せる小技にも、ほんと困ったもんです。追いつくの、大変だよ、ったく。

ま、もうちょっとしたら、携帯電話でこのテのmp3モンは聞けるようになるかと思いますし、今みたいにイカついタワー型のデスクトップパソコンだかに背中まるめてはりつかなくても聞けるようになるかと思います。

Posted by: Donald Mac | 04 January 2006 at 14:43

★どなさん
このリストを眺めていると確かに複雑な気分になるのですが、しかし同時に、これは実にCH4の視聴者の見る映画群だなあ(しかも、今回の投票の主な手段だったオンライン投票に抵抗のない世代の)、と変に納得がいってしまうのもまた事実であります。CH4とは、「フレンズ」などの米コメディ、あるいはエンドレスに流されている「ビッグ・ブラザー」などのリアリティ番組がメインの民放です。そういうものを見ている人々、それはすなわち「グレイテスト映画」にスター・ウォーズを選んだ人々でもありますが、かれらはシェイクスピアやオスカー・ワイルドやジェーン・オースティンやチャップリンやジャック・タチ喜劇に投票はしないだろうと思わざるを得ません。英人にもいろいろあって、ワイルドな階級の人々は本当に「トレインスポッティング」や「ケス」的生活を送っていますから、やはりいろいろな反応があるわけで、こういうものをベストコメディ映画として選ぶのもまた現代の英人の一面であるわけです。もっとも、そういう人々が古い映画を見ていないのはともかくとして、「サイドウェイズ」くらいは入っていてほしいのですが。なんだよ、「アメリカン・パイ」って。とはいえ、このリストの質を疑うと、じゃそのリストでトップに来ているライフ・オブ・ブライアンその他ってどうなのよという話になるのであえて深くはつっこまないでおきます。

ところでわたくし実は「オースティン・パワーズ」がかなり好きです。特に最初のやつ。アメリカ人がイギリス人を笑ったれ(しかもむちゃくちゃ下品に)というその発想がイイし、007関係の人々が「これでは今後どんなボンド映画を作ろうと真面目に見られなくなってしまう」と頭を抱えた、という話もまたよいです。4位ってのはどうよ、とちと思いますが。

「ポッドキャスティング」と目にして一瞬、川底にタコツボ状のものを投げ入れて沈めて待つ魚釣り、の図が頭に浮かびました。もうこうなると浦島も取り返しがつかない状態であると思われます。それからわたしも好きでしたスクリッティ。

Posted by: akko | 09 January 2006 at 15:36

オースティンパワーズが36位ぐらいにあるんだったら、わたくしとてかようにケナしはしないのです。
実際、akkoさんも書かれている「60年代ロンドンのバカ騒ぎぶり」のくだり——たぶんこれ、60年代ビートルズで大騒ぎしていた頃を茶化してるつもりなんでしょう——で、警官までなぜかWest Side Storyよろしく足高々と上げて踊り出すシーンあたりは、笑えます。
音楽はなぜかQuincy Jonesだけど。それ、アメリカだってば。
マイク・マイヤーズ、踊り、ヘタだなあ、とか思いながら見てました。ダニー・ケイの1/51200ぐらいヘタ。

あと、仇役のボス(マイク・マイヤーズの二役)の側近の部下が土壇場でボヤくセリフとかも、結構笑いました。
「ったく、ここまでこの組織を大きくしたのは、誰なんだ?
 (ボスを唾棄しながら)あんたか?違う!
 この、わ・た・しが、生涯を費やし、ここまで大きなコングロマリットにしたんだ!
 あんたはうわごとみたいに『世界制服』ってほざいていただけじゃないか!」
てな感じの罵声をボスに浴びせるシーンも、面白かったです。
マイクロソフト社の重役あたりも、ホントはこう言いたいんだろうなあ、とか思いながら笑いました。

まあ日本で同じような企画やったって、どうせ「踊る大捜査線」と「寅さん」と「たんぽぽだかマルサの女」だかがはいるでしょうし、ご事情はいずこも似たようなモンでしょうねえ。
たぶんオースティン・パワーズもランクインするでしょうなあ。

Posted by: Donald Mac | 14 January 2006 at 06:41

だんだん本題からそれつつありますがオースティン・パワーズ。マイク・マイヤーズの両親は英人である、だから国籍は英人でパスポートは英国のものである、と聞いたことがあります。それを考えると、あのロンドンをボコボコにする大暴れぶりがちょっと意味深なようにも見えてくるような気がします。
まあそういう映画以外のことが映画の評価に関係してくるかどうかというとそれは別の話でしょうし、だいたい確かにオースティン・パワーズが4位ってのはどうよCH4視聴英国人、とは思いますが。でも個人的には、父パワーズがマイケル・ケインだというとこが好きでした。あのコクニーアクセントは英人でも「わからん」と言っておりました。(←でもこれはパート1じゃないや。)

それから、すみません。わたくしうっかり伊丹十三映画が好きで、「お葬式」から後はすべて封切日に見ました。あれだけ人を呼べる邦画は、当時はアニメーションを除いては伊丹映画くらいだったと記憶します。だから投票を募れば票は集まるでしょう。

なお余談ですが、
マイク・マイヤーズ主演でキース・ムーン伝記映画が製作中である、ということを先日小耳にはさんだんですが。
ええええええええ?じゃ、グレアムは?グレアムは出るのか?出るとしたら誰がやるんだあ?と思わずさけびました。

Posted by: akko | 23 January 2006 at 13:42

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