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26 September 2005

26SEP : きわだてブライアン

全ユニヴァース13人のジョン専のみなさまお久しぶりですお元気ですか。わたくしは、手から光線が出るほど忙しい日々が続き、覚悟していた以上にここに近づけませんでした。でも今それがちょっと一段落したので、茶など喫しつつかなりしあわせな気分でぱこぱこぱそに向かっています。

とはいえあれです。ひょっとしたら、もう13人のみなさんにすら、忘れ去られているかもしれない。という不安におそわれたりしなくもありません。しかし勇気をふるいおこし、それでもよいのだ、たとえひとりきりになってもわたしは戦い続けるのだ、前のめりで倒れるまでこれを続けるのだ!立て万国のパイソン者!と、無駄に余計な気をとりなおし、相倉久人言うところの「才能のないやつが使命感に燃えるほど、はた迷惑なことはない」な状態にみずから陥っています。

さて、
リラックスしたときに人間は何をするのでしょう。
わたしは「ライフ・オブ・ブライアン」を見ました。
そしたら、
お、
面白い。
物凄く面白い。
なんというか神が宿っているこのときのこの人たちには。
何もかもが全部うまく行っている。これはすばらしいよ。

なにがすばらしいかって、あの台詞のリズム感がすばらしい。ただ面白いことを書きつけたのではなく、その先で何度も何度も磨かれているのがよくわかる。あれはもはや詩だ。嘘説教をしたブライアンを追いかけていく群集の、「このサンダルに従え!」「この瓢箪が印よ!」など、リズミカルにぴしぴし打ち交わされるテニスのラリーのような言葉がすばらしい。そのまま隠者の穴まで追っかけられて、群集に言葉をびしびし打ち込まれていて、ひたすらかわしてずっと受けに回っていたブライアンが追い詰められて最後の最後に、「ファックオフ!」とがつんと叫ぶ衝撃がすばらしい。ちょっと間がありその次にふと「我々はいかにしてファックオフできるのですか、主よ?」と来るタイミングも素晴らしい。ひいき目を抜きにしてもやっぱり、ジョンはしゃべるのがうまいなあ。ラテン語のところの「だけどこれは命令形だからあー?」とか、ああもうすばらしいったらありゃしない。あの名長台詞「清潔さと、医学と、教育と、ワインと、社会的秩序と、灌漑と、交通網と、上水道と、公衆衛生とをもたらしたことを除きローマ人は一体我々に何をしたというのだ?」をたたみかけるように一息で言うとこなんて、ビートがびしびしきいている。ジョンてば純音痴なのに、いったいどこからこんな音楽的センスを身につけてきてるんだ。

あと美術が良い。テリG、すごい、よくやった。何がすごいって、もちろん大がかりな城とか宇宙船とかもすごいのだけれど、わたくしが感動したのは、PFJのひみつ会議でマイケルが忍び込む計画の図を示していて、あの木製のスプーン様のものに、腐った穴があけてあるとこだったりする。あれはすごい。なんてディテールだ。テリGはパイソンの財産だなあ。英人たちは言葉とかそういう方には強くて、あとエリックは音楽ができたけど、美術は誰もやっていなかった。テリGのアニメーションのおかげでつじつまが合った、ということもパイソンにはたくさんある。変なアメリカ人がひとりまぎれてきてよかったよパイソン。

あとあれです。これから死んでいく十字架に拘束され、しかしその上で「オールウェイズ・ルック・オン・ザ・ブライト・サイド・オブ・ライフ」を歌う巻き毛のエリック。あれがすごく美しい。英語で言うところの「エンジェリック」なクォリティです。この世のものではない感じです。しびれます。

わたくしはやはり、ホリグレもいいけどブライアンが好きです。ホリグレはなんというか、考えられてすごくよくできている、大学の映研の映画だという気がします。もっともホリグレは本当に大学の映研的環境で撮られたものでありますが。やはり「ブライアン」のひとつの映画として話も台詞も構成も配役も完全に成立している力強さにはかなわない。もし「ブライアン」がなかったら英国映画界は相当つまらないことになっていたでしょう。ありがとうジョージ・ハリソン。

これからちょっと温故知新が続く予感がしつつ。

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