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12 May 2005

12MAY : 裏声で歌へスパマロット

米アマゾンさんから、「あんた前にうちでパイソンもん買ったでしょちゃんとわかってんだからえへへへへへ、んでもって今回はこんなブツがあんだけどどうよ」と、スパマロットサントラCDの案内メールが送られてきました。いやもうちょっとましな文章でですが。現地ですでに入手してきているので、「もうあたしひとつ持ってるもーん」とフランス人ジョンの口調でつぶやきつつ、発売を祝してリンクをひとつ。→★★★

しかし。
顰蹙とゴムチキン殴打を覚悟しつつ申し上げると。
もしスパマロットを実際にご覧になるのならば、このCDはその前には聞かない方がいいと思います。

理由その1。ねたばれになるから。スパマロットは途中から、アーサー王伝説でもホリグレでもなんでもなくなり話がどんどんそれていき、最後は「うひゃー」なことになります。あれは知らない方が面白いんじゃないかと単純に思うわけです。特にランスロットファンの皆様には是非とも、あのひどいオチを純粋に味わって頂きたいのです、わたくしが完璧にヤラレたように。

理由その2。これはちと個人的な感情になりますが。わたくしは当初、Always Look On The Bright Side Of Life がスパマロット劇中で歌われるということを知ったとき、非常ーーに抵抗を感じました。わたしは映画ホリグレのあの金のあまりかかっていなさそうな、シンプルなありようが好きなんです。それをアメリカブロードウェイ式に、オーケストラとか歌とかをつけてヒット曲をひっぱってきても、それは全然ホリグレではないのではないか。ココナツとは金がないからこそやむにやまれず生まれてきたギャグなのであって、ブロードウェイのミュージカルでココナツをやってそれは成立するのか。それに何よりAlways、あれはただの明るい歌ってわけじゃなくって、あのブライアンのあの場面で、あのエリックが、あのグレアムに語る言葉だってことに意味があるんじゃないのか、それにエリックはこの歌をグレアムの葬式で歌って泣いたんじゃないのか、そういう大切なもんをパイソンミュージカルだからといって、本来の意味と文脈とを簡単に放り出したりしてほしくないんだよなあ、それもエリック本人の手で。いや本人だからこそそうしていいんだという理屈もあるのかもしれないし、それにスパマロットを見に来るであろう一般客の皆さんはこんなややこしいこと考えないだろうし、知ってる曲を生で聴かせればそれは大いに受けるだろうし、エリック・クラプトンだっていまだに「レイラ」をやらないと金返せとか言われるらしいから仕方がないのか。関係ないか。とかいろいろ考えていたのです。

もっとも、実際に見たら全部一発で解決しました。もうあそこまで素晴らしく派手かつ徹底的に違うならば、もう全然オッケーです。そのくらいすごいのだあれは。

しかし、今CDを聞いていると、Always のブロードウェイ版を含むその映画との違いに「これを見る前に聞いていたら、相当混乱しただろうなあ、自分」と思うのも事実です。だからわたしの場合は、偶然とはいえ、音楽を知ることなく舞台を見ることになってよかった。パイソンの神様のお導きです。ありがたや。

それからスパマロット音楽のジョン・デュ・プレさんは、人生狂騒曲とかワンダの音楽の人ですね。オーケストラ楽曲の技術的な詳しいことはよくわからんのですが、土台はかっちりきっちりツボをおさえてまとまりつつ、その上にかろやかにはねまわる音が乗っていて、胸のすくような気持ちよい音楽がぎっちしです。特に「キャメロット」の後半がゴージャスで良くて良くて、あれがこんなふうになるなんてすごい。って、聞くなとか偉そうに言いつつやや矛盾した言動をとっておりますが、なにしろスパマ帰りです。なにとぞご勘弁ください。

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