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24 September 2004

24SEP 弁護人より一言

こないだの日曜にエミー賞が発表されたので、全力で報道を見ましたが、しかしゲスト出演アクターコメディ部門にノミネートされていたジョン@ドラマ「ウィル&グレイス」は、惜しくも賞は逃しちまいました。思わず「け、今年はこのへんで勘弁しといたるわ」と弱々しくつぶやきました。しかし、ジョンじゃなければこの人に取ってほしいと願っていたダニー・デビート@フレンズもまた選にもれ、勝者は誰かと思ったらジョン・タートゥーロ@モンクでした。でも知らないドラマなので、勘弁していいのかどうか実はよくわかりません。しかも、エミー賞自体はかなり話題になりましたが、これはわりと地味な部門なようでこれ以上詳細な報道もあまりされておりません。あのさあ、ブラッドとジェニファーもいいけどさあ地味な方も映してちょうだいよBBCさん、とちとテレビをヒジで小突いたりしています。

ところでお話かわりまして。
わたしはミュージカル「シカゴ」が大好きで、舞台も映画も鼻血が出るほど見ているのですが、つらつら考えるにその理由はどうも、あの笑顔が凶悪な弁護士の人の存在にあるようだと思い当たりました。殺人なんて些細なことはどうでもいいから5000ドル払えそしたら無罪にしてやるよ、というすがすがしく非道なあの態度。あれを見ると、わたしはどうしても「かれは法のもとに弁護し、わたしは金のために訴追いたします」と法廷できっぱり言い放った、バートレット検事の涼しげな口調を思いださずにはいられないのです。また、シカゴ映画の弁護士が、ロキシーの元旦那を尋問するとき使っていた「わざととてもややこしい質問を素早くして混乱させてみる」というワザはどうも、バートレット検事が1963年に開発した極悪テクニックを踏襲してるのではないかと思えて仕方がありません。

これは例によって「世の現象をなんでもパイソン関係に結論づけてよろこびたがる」というわたしの恥ずかしい癖のあらわれであるとは思いますが、それにしても、もし「さわやかに凶悪な法律家紳士録フーズ・フー」なんてもんがあったなら、シカゴの弁護士とともにバートレット検事もかなりいい感じで名前を記されていたのではないでしょうか。それに、犯罪とか裁判とかをめぐるシカゴのような話がクラシックとして人口に膾炙し、ブロードウェイやウェストエンドや映画で観客を引き寄せていることをかんがみるに、やはり「国民の税金を浪費して3年間法を学んだ結果わかったのは、裁判とは笑えるものだということだった」というジョンのサトリはかなり正しいのではないかと思われます。(英国の国立大学は、基本的に学費は無料です。)

お話またちょっと変わりまして。
うちの隣のおじさんは事務弁護士です。かなり羽振りがいい感じで、おうちはとっても大きくて、広いお庭がついていて、かしこげなお子がふたりいて、ぴかぴかのおベンツ様その他が3台停まっています。越してきたばかりの頃、はあ、世の中には景気のいい人がいるものだなあと毎日バカのように口をあけてその様子を眺めていました。

そういうある日。陰鬱なイギリスの冬の中でも特に暗くて寒くてじとじとと細かい雨が降っている朝、出勤途中のおじさんは、家から出たとこでふと目があった庭のわたしににっこりと笑いかけ

「ハーイ!とってもいいお天気だねえ!まったくイギリスの天気ってば最高だねえ!ワハハハハハハ」

と、スキップせんばかりの足どりで去っていきました。
ひょっとしてこの国の法学部とは本当に笑える学問の部なのではないか、ジョンは決して冗談を言っていたのではないのではないかと考えながら、わたしはしばし走り去るベンツの後ろ姿を見送るばかりでした。

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