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11 September 2004

11SEP さけべエディンバラ (3)

ロンドン地下鉄車内ではそれを読んでる人がいない車両を見つける方が難しい、と評されたかの「ダ・ヴィンチ・コード」を読んだらば、ホーリー・グレイル伝説の陰謀版がたくさん出てきました。もしホーリー・グレイルがそういうものであるならば、パイソン騎士たちがさんざ駆け回った挙句たどり着いたのはあの謎めいた衝撃的な結末であるというホリグレ映画もまた、実は何か重要な裏事実を暗示するものである可能性があります。そういえばかれらの残した言葉は、故ルーブル館長の四行詩以上に難解なものばかりです。もう「センプリニ」なんて、一体何のアナグラムでありその裏にはどんなすさまじいひみつが隠されているのか、もはや想像だにつきません。また作品のいくつかはフリーメイソンの裏の方を示唆しているようですし、また明らかにサブリミナル効果でフリーメイソンに洗脳しようとしているものもありますし、聖書やキリスト教の裏の方については、もうひとつ映画まであるくらいです。また、ホリグレ映画世界の解釈をしようとした有名な歴史家は、奇っ怪な殺され方をしているという事実。い、陰謀だ。世のパイソン真実の探求者たちよ。かのパイソンたちがわれわれに伝えようとしている隠された真実を読み解いて、そして柳の下に2匹目のベストセラーを放て。売れるかどうかはともかく、少なくともその背後に隠されているのは、世がゆるぎ震撼するほど、笑える陰謀であると思われます。

やすやすとペーパーバックに影響されつつ、笑うエディンバラの続きをば。

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確かカバコフさんではなかったでしょうか、ドゥーン城をして「いまだにパイソンで食ってるすごい城」と評したのは。

しかしよく考えたら、たとえばベーカー街は19世紀以来シャーロック・ホームズで食ってるし、ストラットフォード・アポン・エイヴォンに至っては数百年単位でシェイクスピアで食ってるわけです。1975年の映画で食っているドゥーン城など、赤子の手をひねるようにかわいいものです。

というわけで、

今年のドゥーン城の新製品その2。手足着脱可のラヴリーなミニ黒騎士に加え、こんな嗜好品が。


これはヨークの地ビール醸造所がつくっているものらしいです。カバコフさんちのここで存在は知っていましたが、このドゥーンの地で思いがけなく不意に実物に遭遇、腰がくだけました。


ところで。
お城の外や庭あたりでまず写真を撮っていると、なんだか妙に盛装なひとびとが界隈を徘徊しているのです。


ドゥーン村で今日は祭りでもあるのだろうか、と思いながらお城に入り、大広間に一歩入ったところでわたしはその理由を理解しました。

(大広間は、キャメロットの騎士たちが歌い踊っていたあの空間です。)

そこには椅子が並び、盛大に花が飾られ、赤絨毯が敷かれた通路の先の正面には祭壇があり、どう見てもそこでやがて結婚式が行なわれる体勢が整っていました。

あわてて売店にとってかえし、

「おおおおおっちゃんおっちゃん、なんですかアレですか、今日はこのお城で誰か結婚するとでもいうのですか」

とたずねると、

「そうだよ午後1時半から、地元の若い紳士とウェールズから来た淑女が式を挙げるんだよ。中庭で楽団が入った披露宴パーティがあるんだけど、あんたも来てみたらどうだい」

なんでも夏のドゥーン城はかなり人気のある結婚式場なんだそうです。おっちゃんはこれまでここで式を挙げたカップルのアルバムを見せてくれました。わりと階級的に上の方ぽい人々の、美しくてまじめな式前式後写真が並んでいました。

披露宴へのおさそいはしかし、予定があったので丁寧にご辞退申し上げました。そしてエディンバラへの帰路をたどる道すがらわたしは、淑女とその親族が、突如無駄に走って乱入してきた背の高い騎士にたたっ斬られたりしていないことをひたすら祈っていました。

ああ、世のパイソン真実の探求者たちに請う。誰かあえてここで結婚式を挙げ、そして、新婦は緑の前庭で白いヴェールをひるがえし架空の手綱をさばきながらスキップしてゆき、その後ろには貸し出しココナツ両手の新郎が従ってぱかぱかやっている、という一葉をあのアルバムに残してくれ。さすればその夫妻の名は、南の方から緑のココナツの枝をくわえて現れ人類に希望をもたらしたツバメの名において、永遠に記憶されるであろう。たぶん。いやいろんな意味で。

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Comments

今日テレビで、「エジンバラ・フリンジに乗り込んで英語で落語をやってきた噺家さん」が紹介されてました。そちらでの反響はどんなんだったのかが気になります。

さて。
akkoさんakkoさん、こういうことはですね、「言い出しっぺの法則」というのが成立するのですよふふふふ。

しかし、たとえばダイビング仲間同士が「水中婚式」とか、あるいは「ジェットコースター婚式」とか「スカイダイビング婚式」とか「バンジージャンプ婚式」なんてんのまであるんですから、「パイソン婚式」というのがあってもいいのではないかと。どんなのになるかは想像もつきませんが。
とりあえずお料理は全部スパムなんでしょうな。(いやだなぁ)
式の最中にいきなり新郎が「こんな式なんてもういやだ! 僕は本当は……木こりになりたかった!」とか言い出す。さらに歌い出す。
その前にそもそも、「始めようとするとなぜか妨害があって話が先に進まない」というのが一番パイソンらしかったりして。だめじゃん。

Posted by: トコツカ | 11 September 2004 at 17:44

その落語家さんは笑福亭鶴笑さんですね。不勉強にして見逃してしまいましたが、スタンダップに対抗して「シットダウン・コメディ」だと名乗ってらしたのを記憶しています。英人はわりと人情系喜劇によわいし、最近はなんとなく日本ブームなので、言葉の壁さえ乗りこえれば落語世界もいけるのではないか。

フリンジで話題になってた日本人は Gamarjobat という2人組(読めん)です。スコッツマンで4つ星です。しかしこれも見てなかったりする非国民ですすみません。
http://www.edinburghfestivals.co.uk/reviews.cfm?id=918692004&genre=Comedy

パイソン身内同士でご結婚された方々を実はわたくしは若干存じ上げておりますが、どうやらそのすばらしい「パイソン婚」というアイディアを実現されることなく、日本の伝統結婚形態をお選びになったようだとお見受けします。こうなったら手ぐすね引いて皆で待ち受け、次のカップルにはよってたかって強制的にやらせちゃいましょう。いや言い出しっぺと言えどもこればかりはちょっと自分で率先する気にはやはり。親戚の手前とかそういうことも。白馬に乗ったジョンがやってきて式の途中でかっさらってくれるのはなかなかステキだと一瞬思いましたが、よく考えればジョンがさらうのはヨメではなくてマイケルダンナの方ですし。

Posted by: akko | 16 September 2004 at 11:25

Gamarjobatは日本語表記では「が〜まるちょば」だそうです。本人のサイトにそう書いてありました。

http://www.gamarjobat.com/jp/index.html

「ダブル・アクト・アワード」を取ったそうでめでたい。

Posted by: トコツカ | 17 September 2004 at 10:25

ほー、が~まるちょばですか。芸がどうのという前に、なんというか、「阪神巨人」とか「やすしきよし」とか「ダイマルラケット」とかいう名前で育ってきた人間には、その語源すら見当がつかない時代に突入しているという気がしてなりません。

それにしても今、この国では、このような日本のサブカルチャーに詳しい人は、「通」あつかいされるふしがあるようです。それはなんというか、われわれがパイソンを見るようなもんです。すてき。

Posted by: akko | 24 September 2004 at 12:00

ああっ、が~まるちょば!
パントマイムなのに「芸術」や「人情」に走らず、徹底して笑いを追求する2人組です。大好きです。
エヂンバラで評判よかったっすか。それはよかった。

Posted by: 傍見頼路 | 12 October 2004 at 13:39

傍見さんこんにちは。こちらでははじめまして。
が~まるちょばなるお二方はいまだ不勉強にして見たことがないのですが、「パントマイムなのに芸術に走らず徹底して笑いを追求する二人組」というと、わたしは Men In Coats という人たちを思い出します。去年とおととしエディンバラで連日ソールドアウトを出していたおっさんペアです。
http://www.menincoats.co.uk/

上記サイトではちとわかりにくいですが、才能と実力のあるおっさんたちが、その能力をひたすら笑いに費やしてくれているということがありありと伝わってくる芸です。これ絶対!ぜーったい!日本でもウケると思うのですが。ストンプだって日本に行ったんだし誰か呼んで。

Posted by: akko | 15 October 2004 at 17:26

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