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18 July 2004

18JUL 英米ドラマの出会うとこ

ここ10年間、金曜夜とは、すなわち「チャンネル4で9時から『フレンズ』10時から『フレイジャー』を見る夜」でした。

一応英シットコムをこよなく好む者としては、堅実に現実に即しリアリティぎりぎりのとこで勝負する英モノの潔さをもってよしとしたいわけです。しかし英モノには全体的に独特の地味さがあって、またときおり現実に即しすぎビンボウの描写まで匂い立つようにリアルで、なにしろ現実なので美男美女も慎重に遠ざけられていて、なんだかどうも、ピューリタニズムとはこの国でいまだ息づいているのだと妙に感心してしまうのです。

例えば先日BBCでベストシットコム1位になった Only Fools And Horses。舞台はロンドンのペッカムというどうしようもないほど荒んだ実在の地域で、両親を早くに亡くした労働者階級の兄弟がそこの公営高層安住宅に住まっていて、二人ともどうも女っ気がなくて、お金もなくていつもぴいぴいしていて、弟はこの底辺から抜け出すべく比較的堅実に生きようとしていて、兄はその弟を思うがためになんとかして手っ取り早くお金をもうけたくてヤバそうな仕事に手を出しては、そしてもっとヤバい事態に陥っては、罪のない弟をも巻きこんで大変なことになり、というパターンが多いのですが。こう書いていると、これがケン・ローチの映画ではなくコメディであるというのがほとんど信じられなくなってきます。ちなみに兄の方を演じているのは Do Not Adjust Your Set にも出ていたデイヴィッド・ジェイソンです。

OFAHは面白いのです。それはとても面白い。面白いんですがしかし、その直後に米モノ、特に「フレンズ」なんかを見ると。きらーん!じゃーん!全員美男美女ー!マンハッタンのど真ん中ー!「ハロー」じゃなくて「ヘイ!」と挨拶ー! いつも空いてるおされなカフェのソファー! もう画面の色からしてあまりにも鮮やかに違うので、涙が出そうになったものです。「フレイジャー」にしても、主人公は中年の兄弟ですがビンボウな空気は微塵も漂わせない、いつもかろやかな仕立てのよい服のお医者さんでした。かつて憧れられていたアメリカ文化というのは、このようにきらきらと輝いて目に映るものだったのだろうとしみじみ思います。

しかしフレンズもフレイジャーもたいへん長く続いたもんだから、やや「毎週末今そこにこんな面白いもんが2つもあって当たり前」な状態になっていました。だから先日いきなり両方いっぺんに終わってしまって、いささかうろたえています。孝行したいときにはフレンズもフレイジャーもなし、という諺どおりです。

で、ポストフレンズ & フレイジャーの金曜日夜9時台を今しょって立っているのは「ウィル & グレイス」です。(しかし、あきらめきれていないらしいチャンネル4さんは、8時30分からフレンズを再放送しています。)フレンズのきらーん!という派手なインパクトはないようですが、じわじわと金夜の人気米シットコムとして順調に浸透しつつあるようです。


と思っていたら、
「ウィル & グレイス」にジョンが出ててそれがエミー賞にノミネートされたよ、というニュースをおととい小耳に狭み、
思わず「ゑ?」とつぶやきました。
なんだなんだ聞いても見てもいないぞとつぶやきつつあわてて調べてみたら、どうやらUK未放映分の第6シーズンに何度か出ていて(現在UKでは第5シーズン)、それがコメディドラマゲスト出演カテゴリーでのノミネートとなったらしい。主人公群の誰かの母親である未亡人だかなんだかと結婚するとかしないとか、いやあまり先のストーリーを知りたくないのでナナメ調べしただけなのですが、そんなふうな役柄だそうです。

おお。確かこのコメディゲスト出演賞ノミニーには、去年ブラッド・ピットなんてのがいたぞ。今年は同じとこにジョンの名前が並ぶなんて、なんて景気のいい眺めだ。ふっふっふ。と思っていたら、今年のこの賞本命は、「フレンズ」に男ストリッパーとして出てきて大暴れしていた、ダニー・デビートなのですなあ。エミーさん、どういう基準なんだ。いや物凄く面白かったですがダニー・デビート@フレンズ。

ちなみに先日拙元ex日記にてちと言及したように、ジョンはすでに89年に一度「チアース」出演で同エミー賞を取っています。しかしこのときのキャラクターはちょっとフォルティ氏に寄りかかっている感じがするので、もう少し何かが欲しいと思わせられなくもありません。

かのようなツウの皆様には、2001年の米シットコム 3rd Rock From The Sun 第6シリーズに2回ほど現われるジョンをどうぞ。もう、文句のつけようのないほど、完全に、独創的です。というか単に「変」です。ジョンは、主役宇宙人ジョン・リスゴーのお友達宇宙人です。ジョンLの家のキッチンで、オーブンの中から料理を乗せた熱鉄板を「宇宙人だから平気」とか言いながら素手でつかんで取り出したりしてます。ジョンCの役名は「リーアム・ニーソン」ですが、これが何かの伏線なのかと思っていたら、何も起こらずそのまま終了します。3rd Rock はエミー賞受賞のとてもよいコメディですが、ジョンCのリーアム・ニーソンに関しては、なんだかわけがよくわかりません。

この手のものを見ながら、「うわーまたジョンがこのようにわけのわからないことをー」とごろごろ苦悶し、それが極限に達したところでふと裏返り、気がつくと光につつまれたような快楽の境地に立っている、ことができるのが真のジョン専ではないかと思いますが、どうもそこまでの道のりは長く曲がりくねっているようです。

ちなみにわたくし、もはや伝説となっている、2002年にわずか2回で打ち切りをくらった米ABCのシットコム Wednesday 9:30 (8:30 Central) のビデオを持ってたりします。これがどんなにすさまじい快楽の境地をもたらしてくれるのかと思うと冷汗が出るほど楽しみで、入手後2年経ちますがいまだ一度も見ておりません。考えるとまるで、「リング」の中の人のような気分になってくるのです。
 

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Comments

お休みを満喫されていらっしゃいますでしょうか。わたくし論文の締め切りとオリンピックと阪神タイガースが重なってえらい目にあっております。くう。
さて、ジョンの謎仕事ですが、今度は家庭用歴史クイズゲームのナビゲーター役なんかをやったそうで。

http://www.bequal.com/time-troopers-dvd-game.htm

メイキングと子供向け&大人向けのインストラクションビデオも入ったボーナスディスク付き。サイトで公開されている紹介ビデオではパイソンも引用されていますよ。

Posted by: トコツカ | 27 August 2004 at 10:28

トコ塚さん今宵もちくりをありがとうございます。
この物件はどのような物件なのでしょう。ここしばらくBBC2の夜7-8時台のよいスロットでテリJが歴史解説番組をやっていましたが、そのようなものなのでしょうか。もっともよく考えたら、こういった教材的兼コメディ的なシナリオの映像関係はジョンの得意とする分野です。(なにしろそれでビデオ・アーツという会社をひとつ成功させたくらいです。)わたしとしてはジョンに教育されたいのは山々なのですが、けど英国内で発売されるのを待て、と自分に言い聞かせ、教えていただいたサイトの BUY NOW! のボタンのさそいに必死であらがっています。またちくってください。そしたらわたしがまた嬉しくるしみます。

Posted by: akko | 02 September 2004 at 20:47

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